戦慄の聖女1
新章に入る前に運命の子、エルファーナの生い立ちを入れます。
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私は親に虐待を受けていた。
学校でもいじめられ誰からも愛されず20歳の誕生日に自ら命を絶った。
しばらくすると眩し程の白い空間に佇んでいた。
そして目の前には優しそうな女性が立っていた。
「マキュリファウンスへようこそ、地球の方。」
私は夢のような出来事の中、素朴な疑問を投げかけた。
「ここはどこですか?」
「マキュリファウンスの神界です。」
「マキュリファウンス?」
聞き慣れない言葉であった為、目に前の美しい女性に聞いてみた。
「マキュリファウンスとは貴方のいた地球のようなものです。」
異世界の神界ということは目の前にいるのは女神様か……
「死ねなかった……のかしら……?」
「いえ、貴方は自分の世界に絶望し自ら命を絶ちました……」
やっぱりね……
「私は貴方の絶望を希望に変える為に貴方の魂をマキュリファウンスに招きました。」
希望……嫌いになった言葉。
変えようとしても…変わろうとしても何にも変わらず希望なんて何処にもない人生だった……
希望って何だろう?
そんな事すらも思えない最期だった……
「このまま消滅する事は出来ますか?」
「可能です。」
「ではおね…」
「ですが貴方の要望を私は聞き入れる事が出来ます。美人に産まれたい、お金持ちに産まれたい等の要望であればいくらでもどうぞ。魂を消滅させるのであれば、もう一度新たな人生を送っても良いのでは無いでしょうか?」
ではお願いしますと言いかけたが、それは女神の言葉によって遮られた。
はぁ……もう一度新たにやり直すか……もう一度やり直して変わらなかったら?ネガティブな感情が全身を覆う。
でも要望があればか……
美人であればイジメにあっていたのか?
裕福な家庭であれば両親は私に優しかったのでは?
タラレバが頭の中で交差する。
そして私は一つの答を出す。
「では女神様?」
「リーザと申します。」
「私は誰からも愛される人間になりたいです。可能でしょうか?」
私は愛情に飢えていた。
誰かに愛されてみたい。
愛情を感じてみたい。
次の人生に願うのはそれだけだ。
「可能です。その為のギフト、アビリティを貴方に授けます。しかし貴方自身も人を愛する努力が必要になります。欲しい、欲しいだと人は遠ざかります。」
「分かりました私は生まれ変わってみます。」
私は決心した。
この女神様のいう事を信じてみる事にしたのだ。
「それでは貴方をマキュリファウンスへ送ります。」
私の意識はそこで途絶えたが最後に背筋の凍るような声が聞こえてきた……
「捕まえた」
いつも有難う御座います。




