迫る混沌の影16
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「妾ともあろう者が取り乱してしもうたのぢゃ。」
「泣きたい時は泣けば良いと思いますよ。」
「……ふっ、それでは二人が地獄に行けぬのぢゃ。」
「そうですか……」
「妾の父と母は原始の魔神でのぅ……」
リケルドはポツリと語り始めた。
「両親はマーザが暴走した時に楽園に残った数少ない原始の種族でのぅ、いつも魔界へ帰った同胞をバカにしておった。そんなある日、竜王との激闘を制し能力を奪ってから自分達が楽園の王となり、魔界を征服しようと考えたのぢゃ。が、あらゆる研究を続け着実に勢力を蓄えていた矢先に自分達の能力を奪いとられ殺されてしもうたのぢゃ。」
「では先程の2人は……」
「おそらく魔界に帰った同族へ復讐しようと思う執着が混沌と結びつき、あのような姿になったのであろう。本来の父上と母上であれば妾の拘束などかすりもせんよ……」
「そうですか……」
「まぁ、因果応報ぢゃな。父上と母上もヒトに対し非道な事を行っておった。妾はいつかこんな日が来るのでは無いかと思うておったしのぅ。」
「…………」
私はリケルドを慰める言葉が見つからなかった……
「さて、これでアイリーンも元に戻るぢゃろう。妾はまた魔法の研究に戻るかのぅ……」
「リケルドが良ければ私達と一緒に来ませんか!?」
私はリケルドをこのまま一人にしていけないと思い旅の一行に誘った。
「しかし妾は……」
「混沌の竜を鎮めるにはリケルド……リッケの力が必要なのです!力を貸して下さい!」
「……仕方ない、そこまで言うなら手伝っても良いぞ。だがリッケとはなんぢゃ?」
「私は仲間達を愛称で呼ぶのです。貴方はリケルドだからリッケです。」
「フフン、悪くないのぅ。では行くとするか。」
こうして私とリッケは竜脈を鎮めレイドンへ戻った。
「むぅ……やっぱり入れないのぢゃ。」
ここにリッケが入れないのは混沌が原因では無いようだ……
ならば街の創設者に聞けば良い。
『バーン!聞こえる!?』
『うわ!何だよ急に!今ちょっと……』
『ダメ!今すぐ対応して欲しいの!』
『何だよ!おぃ!そこで動きを止めろ!』
『魔神の子がレイドンへ入れなくて困ってるの!何とかして!今すぐ!』
『えぇ!あと一時間まてない?おい!逃がすな!』
『ダメ!』
『わぁったよ!いつもプレゼントとか贈る共有アイテムボックスに【めんざいふ】を入れておいたから……だぁあ!悪ぃ!俺が逃がしちまった……』
『有難う!バーン!大好き!』
『おぅ……またな……』
バーンが言った通り、私とバーンが共有しているアイテムボックスの中には日本語の平仮名で【めんざいふ】と書かれた紙切れが入っていた。
それをリッケに渡すと私達は無事に街へ入る事が出来た。
せっかくなのでアイリーン編の後書きまで終わらせます……




