迫る混沌の影2
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デュルカラーン・ドゥドゥベに到着すると直ぐにミフォルティナとイヴェンヌが出迎えてくれた。
「お待ちしておりました精霊神の愛娘。」
「あの……」
「何でしょうか?」
「何でそんなに準備万端なのですか?」
「………………」
ミフォルティナは私が来る事が分かっていたかのように、リュックまで背負い込み、いつもは身に着けていないような旅用の装備になっていた。
するとイヴェンヌがイタズラっぽい顔をして言う。
「ミフォルティナったら初めて外出するのが嬉しいみたいで風が止まってからずっとこの姿で……」
「わぁ!わぁああ!イヴェンヌさん、それはダメです!ささ、行きましょう精霊神の愛娘!時は一刻を争います!」
ミフォルティナ……その気持ち……私は分かるよ……
まるでさっきの私みたいだもん。
「で…では、向かいましょう。世界樹の守護は大丈夫ですか?」
世界樹の巫女は世界樹から簡単に離れられないはず。
「大丈夫ですよ。お母さんが真の姿を取り戻して世界樹の巫女の力を手に入れましたから!」
「そうですか。では行きましょう。イヴェンヌ、また来ます。お元気で。」
「ご機嫌ようマリアンヌ。」
やっぱりイヴェンヌはお姫様ofお姫様ね。
華麗で美しい。
運命の戦いが終わったらイヴェンヌがまたヒトの国で生活出来るように考えよう。
私はそう誓った。
「それで、どこに向かうのですか?」
ルシェルの背中に乗りながらミフォルティナに尋ねる。
「ウィンドゥルガン山脈ですね。」
「ヴェルコニアの北部にある賢者の眠る山ですか。」
「そうです、あそこから巨大なマナの歪みを感じます。」
そして、デュルカラーンから1時間もしないうちにウィンドゥルガン山脈へ到着した。
「これは……」
そこにはミラルド大陸中の風を全て集めたような突風が吹き荒れていた。
「これは混沌の暴走だ。大いなる母マーザの復活が近い。」
そこには白い全身鎧を着た美しい女性が立っていた。
「貴方は?」
「私はユーフォルビア・メシェル・イナヌス。待っていたぞ運命の子供達。天上神王ウヴァヌス様の愛娘、世界樹の巫女。」
「はい?エルファーナ様は精霊神リーザ様の愛娘ですよ!」
「ハッハッハ、何を言うか……マリアンヌとは慈愛の母と言う意味だ。これはウヴァヌス様がつけた名だ!」
「そんな事は無いですぅ!」
喧嘩になりそうなので仲裁に入る。
「二人共、およしなさい。」
「「はい!」」
私が諭すように声をかけると二人ともピタッと止めた。
「今は混沌を鎮める事が先決です。それには皆の力が必要なのですから心が乱れていれば成せる事も成せません。」
「「はい!」」
「では、次話で本格的な指示を出します!」
こうして私は混沌を鎮める準備をし始めた。
今日はここまで。
明日も出来るだけ更新します。




