月光の王子バラムディア13
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「ぉお!来たぞ!月光の王子だ!」「月光の王子!」
「あらアレがバラムディア様?格好良いわ!」
「素敵!」「バラムディア様!こっちを見て!」
「綺麗な銀髪ねぇ!「真紅の瞳に吸い込まれるわ!」
「キャァアア!」
パレードが始まると熱烈な歓迎を受けた。
それは前世でみたオリンピックの凱旋パレードのようであった。
そして俺への声援もさる事ながらヴェルクハイブ王家の人気は凄まじものがあった。
「ヴェルクハイブ家がそろい踏みだ!」
「やっぱり格好良いな!」「映画の英雄達は絵になる!」
「ヴェルコニア万歳!ヴェルコニア万歳!」
まあ時折変な声も混じっているけど……
「アンディだ!」「アンディタイムはまだかよ!」
「逃げてんじゃねえぞ!」「酒持ってこい!」
「ギャアッハッハ!あいつ本当に王子だったのか!」
「うるせぇ!オメェら!黙ってみてろ!」
バーン兄さん……それ不敬罪でいいんじゃ……
後で聞いたがヴェルコニアでは不敬罪が撤廃されているらしい。
何でもバーン兄さんが原因らしく、不敬罪で罪人扱いにするとバーニアムの領民の9割が罪人になってしまうそうだ……
何だそれ?
そんな熱烈な歓迎を受け3時間後、ようやくヴェルコニアへ到着し今度はパーティーが始まった。
そこで目にしたのは華やかな世界であった。
高級な食事、高級な装飾品、王族、貴族、夢の様な世界であった……
そしてそこには予想だにしない展開が待っていた。
新たに現れた王子にコネクションをつくろうと貴族が殺到し「娘をもらってくれ!」「趣味はなんですの?」などの質問をヒトは変われど同じような質問攻めを長時間くらった。
兄さん達は結婚してたりフィアンセがいたりで上手く貴族達を流しているが俺はこのような場に慣れていなかった為もの凄く苦労した。
そして3時間後、やっと一息つくことに成功した……
「バラン!バラン!」
「え、えっと……」
一息ついていると目の前に見た事もないような美人が現れS俺の名前を連呼していた。
一体誰だろう……このパティーで俺を知っているのは……
「オルナティブ!?」
バッチリメイクのオルナティブはミラルド大陸の貴族達を圧倒していた。
少なくとも俺にはこの場にいた誰よりも美しく見えた……
「へ、変じゃないですか?」
「何よりも綺麗だオルナティブ……」
「あ、有難う御座います……バランも格好いいですよ。正装が似合ってますね。フフフ。」
オルナティブは顔を真っ赤にして微笑んだ。
「なぁオルナティブ。お前が呪いにかかった時の事……寝室で言った事は覚えいるか?」
「えぇ、一度たりとも忘れた事はありません。」
オルナティブは真っ直ぐ俺を見つめる。
「お前の呪いは解け、俺は王族となった。」
「はい。」
「もう一度言わせてくれ……俺と結婚してくれ!絶対に幸せにしてみせる!」
「はい……謹んでお受けいたします……」
「や、やっ……」
俺が喜びを表現しようとした時であった。
パァ~ン!
ヒュ~ボン!ボン!ボン!
クラッカーが鳴り外では花火が上がっている。
そして両親族がいつの間にかココに集合していた。
「い~やったぁああああ!レイ!」
「めでてぇえ!」
「いや~良いプロポーズだ!」
「飲むぞぉお!」
「姉さん!バラン少年!おめでとう!」
「おい!ヴェルコニアの街に発令しろ!今日は国持ちで祭りだぁあ!」
「やったぁああ!」
何のドッキリだろうか……?
俺のプロポーズは両親族からバッチリ見られていた。
俺が喜ぶ前に皆が喜ぶ事で、俺は完全に喜び損ねてしまった……
次がバラムディア編のラストになります。




