月光の王子バラムディア10
更新します。
アガドは兄に全て隠さずを話した。
なぜ俺とアガドはアイリーン大陸へ流れたかをだ……
だがそれはヴェルコニアには重要な事であっても俺には重要な事ではなかった。
俺はアガドに本心を聞きたかった。
「話しは終わったぞ、バラン。」
「なぜ、女王陛下を暗殺しようとした。」
「……オメエを王にしようと思った。そうすれば親である俺は影の王だ。」
「そんな私欲の為に……」
「私欲の何が悪い!?俺はあのまま行けば騎士団長だった!それを偶然お前を見つけちまったばっかりに、こんな辺境に流されて!金の使い道もねえ場所に連れて来られてよう……何ならヴェルコニアだって手に入れられたぜ……」
「本気で言ってるのか!?」
「あたりめぇだ!俺ならエルニィアに勝てた!オメエが王女に惚れてる事は分かっていた!オメエだけが幸せになる事も許せなかった!俺の全てを奪ったのにな!」
「……あ、アガド……」
「へっ。ビケルドが魔力を失った今、俺は死ぬんだ。質問があるなら何でも答えてやるぜ!ほれ!きいてみろ!」
俺は項垂れ何も言葉を発せ無かった。
家族を失った……そんな気分だった。
家族……家族かぁ……
あぁ……さっき兄さんがアガドの言葉を遮ったのはそう言う事だったのか……
この事を皆がいる前で話させ無い為にか……
そんな事を考えていると兄さんが来た。
「おい、憂さ晴らしにマグナジョイデとダコルドライセンに行こうぜ!」
「え、えぇ……」
俺、兄さん、ルドルフさんでマグナジョイデにきた。
兵士はガタガタと震えており、簡単に殲滅できた。
「あれ?ゼケルドがいなかったなぁ?」
「アルデルシア様に恐れをなして逃げましたかね?」
確かに魔族と思われる兵士はなぜか兄さんを見て震えていたような気がした。
「よぉし!お宝を袋につめろ!次はダコルドライセンだ!」
ダコルドライセンも似たような状況であった。
魔族達は震えており一方的な戦いとなり呆気なく占領できた。
「あれぇ?魔神1万はいたけど、やっぱりビケルドとゼケルドがいねぇなぁ?アイツらどこ行ったんだ?」
「アルデルシア様に恐れをなして逃げましたかね?」
またこのくだり……この二人は漫才師でも目指しているのであろうか?
「おい、ルドルフ。俺達の天丼がびくともしねぇぞ。」
「精進いたします。」
「……………………」
こうして兄さん達の協力もありブランガルド王国はアイリーン大陸を統一出来た。
その日、ブランガルド王国は建国以来、初めて宴が催された。
それはアイリーン大陸に真の平和が訪れた瞬間であった。
ラストスパート……




