わい、レムリアを探検する。
デート回です。
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無事パーティーも終わり、ヴェルコニア側の面々は帰国した。
俺を残してな……
そして次の日
よし、レムリア探検隊活動いたす!
「陛下、城の外に出てもよろしいでしょうか?」
「よかろう。姫も連れて行ってやってくれ。」
やった!親父とはえらい違いだ!分かる人でよかった!
俺はエルファーナの部屋へ行きノックをする。
「エルファーナ!出掛けるぞ!」
「へ?何処にですか?」
「城下町に決まってるだろ!城下町と言えばウマい物とか珍しい物とかあるだろう?観光だよ、観光。」
こうして俺達は2人で城下町に繰り出した。
護衛はつけていない。
理由は城の兵士よりも、俺の隣の方が安全と言う謎理論を王に押し付けられた結果だ。
レムリアはヴェルコニアに比べると大都会だった。
様々な商店が建ち並んでおり旨そうな匂いにつられる。
「おっちゃん!これ旨そうだな!いくら?」
美味しそうな肉をジュウジュウ焼いている。
「何だ坊主、よく分かってるじゃねぇか。100ガルムだが金はあるのか?」
フッフッフ……実はこっそり竜の素材を商人に横流ししていた為、俺の所持金は10,000,000,000ガルムはくだらない。因みに1ガルムは約1円だ。
混沌の竜の件さえなければ、一生遊んで暮らしているところだ!
「2本くれよ。」
エルファーナに1本渡し、1本はそのままかぶりつく。
「う、うまい!噛みごたえがありジュシーで甘辛のタレと相性抜群だ!何の肉だ!?」
「そりゃオークの肉だ。」
ま、魔物の肉って食えるんだ!こりゃ地球には無いうまさだ。
まぁ僕、食事を摂取する必要無いんですけどね。
「どうだエルファーナ、うまいか?」
「おいひぃでふ。」
ハムハムと一生懸命かじっている姿は愛くるしかった。
それから他の店を食べ歩いたり、図書館へ行ったりした。
あっという間に日が暮れてきたので、ボチボチ帰ろうかと思った時にアクセサリー店が目に入った。
「ちょっと覗いていくか?」
エルファーナは遠慮気味に頷いた。
結構な値段はするけど、どれも手が届かない額ではない。
「いらっしゃいませ。プレゼントでしょうか?」
店員が営業スマイルで近づいてくる。
「ああ。予算の上限は無しだ。この子に似合うものを用意してくれ。」
「かしこまりました。」
店員は裏へと消えていく。
「アルデルシア様。私は高価なプレゼントなど……」
「女子は光り物が好き何じゃないのか?」
「嫌いと言うわけじゃないですけど……」
王族なのに金銭感覚がしっかりしているな。
俺はエルファーナの庶民的な感覚に好感を持った。
「じゃあ俺が勝手にお前へ送る。」
エルファーナとそんなやり取りしていると店員が戻ってくる。
店員が用意したのは3つの宝石だった。
ピンクダイヤ、オレンジルビー、ブルーサファイア
どうやら店員は高価な品ではなく、要求どおりエルファーナに似合う宝石を真剣に用意してくれたようだ。
「エルファーナ。俺はピンクダイヤが良いと思うけど、それで良いか?」
「……えぇ。有難う御座います。」
これは、選択肢を間違えた反応だ。
「お客様。一度合わせてから選んで見てはどうでしょう?」
店員ないすぅー!デート経験に乏しい俺に助け船がきた。
店員のアドバイスによりエルファーナは成長期の為、ネックレスにする事になり、金具と宝石を合わせて何度も鏡と睨めっこをしていた。
どうやらエルファーナの表情を見る限りだと、オレンジルビーが気に入ったようだ。
「こう見ていくとオレンジルビーが似合うなぁ。」
ぽそっと言うと、エルファーナの表情はパッと明るくなった。
「エルファーナ、オレンジルビーで良いな?」
「はい、お願いします。」
ふむ、即答だったな。
俺は店員に多めに代金を支払う。
素晴らしサービスだったからだ。
「良い買い物をした。」
「ヴェルコニアの王子様と聖女様に下手な商売は出来ませんよ。」
しまった!どうやらこの店主には身元がわれていたらしい……
「じゃあ帰るか。」
「はい。」
色々あったが、レムリア探検初日は無事終了し、楽しい一時を過ごせた。
いつも有難う御座います。




