わい、弟と遭遇する。
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「お、お前は……」
「俺はアルデルシア・バーニアム・ヴェルクハイブだ。」
「……ハハハ。とうとう見つけた……不幸と幸運が同時に訪れるとは……」
「何か困ってるみたいだけど?」
俺はバランが焦っているところを見ていた。
呪いがなんちゃらって言っていたようなぁ?
「貴様に言う必要はない!ここでは街に迷惑が掛かる!表へ出ろ!」
「あいよぉ。おいルドルフ、お前はここで待ってろ。」
俺はルドルフを街で待機させバランの言う事に素直に従った。
そして俺とバランは街の外へ出た。
何もない氷の平原だ。
月光だけが大地を照らしている。
「で、何を怒ってるんだ?」
「何をだと……貴様は温々と王家で育ったボンボンだから分かるまい。この日も射さず、氷ばかりの地に捨てられた赤子の気持ちなど……」
「はぁ?捨てられたぁ?お前、ヴェルコニアでは母親と死んだ事になっているぞ?」
そうだったよね?
「自分を守る嘘など最低だな。ヴェルクハイブ家ではそう教わるのか!?」
「あぁ!?ヴェルクハイブ家は関係ねぇだろ。」
俺はある程度の事は我慢するつもりで付いてきたが家族の事を言われイラッときた。
「ここで俺がどんな苦労をしたかも知らずに関係ないだと……俺を悪魔の子として捨てたのはヴェルコニアの王だろうが!」
「そんなわけねぇだろ。お前の遺体が無いってのに、こちとら国の重鎮だけで密葬までしてるんだ。」
「そんなハズないだろ!双子は禍を呼ぶからと言う事で産まれて直ぐにアガドと一緒にアイリーンへ島流しにあったのだ!」
「今作った話しにしては良く出来てるなぁ。」
全くこちらに伝わっている……いや実際に見た話しと違うので、煽るような反応をしてしまった。
「何をぉおおお!!」
バランは激昂するも直ぐに冷静に戻る。
「……もう話しても仕方あるまい……ヴェルクハイブはこの俺が滅ぼす!」
「まぁ気が済むまでかかって来い。」
「ふん、今その軽口を黙らせてやる。永遠にな。」
「コラコラ、兄に向かってぶっそ……」
バランは力強く踏み込んできた。
それは殺意のこもった相手を殺す剣であった。
「何ぃい!」
「そりゃ真っ直ぐ斬ればつかまれるわ。」
俺はバランの剣を片手で受け止めた。
「豪雷閃!」
「おっつ……」
バランはそのまま剣に雷を纏わせ力で押してきた。
しかし俺はそのまま横へ去なす。
「中々やるじゃないか……」
「…………」
「氷連棘!」
バランが気合を込めると氷の棘が次々と俺に襲い掛かってきた。
「ふぅ。めんどいなぁ……」
俺は真神器の炎の指輪で氷の刺を溶かす。
「な、何ぃ!」
「お前、何ぃい!しか言ってねぇぞ。」
俺は弟にボチボチお仕置きをしてやる事にした。
ま、まぁエイプリルフールですから……




