わい、長男に会う!
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謹慎が解けた、やっと!倒置法。
今年で待ちに待った5歳になるのだ。
そして5歳になると教会へ行き、職業やスキル、アビリティなどを授かるありがたいイベントがあるそうなのだが、俺は産まれながらに職業や能力に目覚めている為、その必要がないのだとか……
なんじゃそれ!!
まぁ、それはさておき……
お披露目後は遂に自由だぁあああああああ!!!
っと思っていたが……
ヴェルコニアの王族には掟があり、5歳の誕生日から成人である15歳の誕生日まで、自国を出て他国に修行に行かなくてはならないのだ!
なんでも「可愛い子には旅をさせろ」だそうだ。
初代王って絶対に異世界転生者だろ!とツッコミを入れたい。
そして今日、成人を迎えた長男がヴァリエリス帝国から戻ってくるらしいのだ。
昼過ぎ……
城の外が騒がしくなった。
万里眼で覗くと、白い鎧を着た騎士が護衛を連れ、城に向かって歩いてくる。
外見は茶色い髪に茶色い瞳、長身で細マッチョ、顔はどこかの聖帝様のような厳しい顔だ。
「ヴィクトール王子が御帰還なされた!」
周囲からは歓喜の声が響いている。
兄貴が国民から愛されている事が良く分かる。
数分後、親父から呼び出しがあったので謁見の間に向かう。
「バーン。第一王子が帰ってくる事は知っているな?」
「はい、存知ております。」
今は家臣がいるので余所行きモードだ。
「これから出迎える。お前の兄だ、楽にしておけ。」
顔は厳ついけどきっとフランクなヒトだと期待したい!
「ヴィクトール王子が入城されます!」
盛大な拍手と共に兄貴が現れる。
「ヴィクトール・ウィルコティッシュ・ヴェルクハイブ、只今戻りました。」
「うむ、楽にしろ。ヴァリエス帝国からよくぞ戻った。お前の過ごした10年はこの国を治める事において大事な宝となるであろう。」
「有難きお言葉。」
「まぁ固いことはここまでにして、今日はパーッとやるぞ!」
皆から歓喜の声が上がり、宴が始まった。
「おう、これがお前の弟だ。」
「アルデルシア・バーニアム・ヴェルクハイブです。兄上、よろしくお願いします。」
「ああ、よろしくたのむ。」
ガッチリと握手をする。
その後、宴は終わり人払いをし、家族だけとなった。
「陛下、この国はしばらく見ない間に豊かになりましたね。」
「そう感じるか。」
「ええ。目標や生きがいが見つかった様な目をしております。」
「魔境から魔物が去り、領地を与える事が出来るようになったからな。不遇だった騎士達もやっと報われる。」
「西の統一が現実味を帯びてきましたね。まあ、国政が落ち着くまで10年は掛かりそうですが……」
「うむ。フィルハザードとの因縁に決着をつける事は我が国の悲願だからな。」
フィルハザードとヴェルコニアには因縁がある。
初代王が当時のフィルハザードの姫(一人娘)と駆け落ちして建国したのがヴェルコニアで、初代王を暗殺したのがフィルハザードの陰謀らしいのだ。
「戦力は整いつつある。騎士団の士気向上、優秀な人財の確保、ロビンも3年後には帰国する上、今のバーンは俺よりも遙かに強い。」
「陛下よりですと!?信じがたいですね。」
それ、言っちゃうんだ……
「バーン、お前はこれからのヴェルコニアをどう考える?」
兄貴が問いかけてくる。
「戦争については参戦しろと言われればするけど、俺は平穏に暮らしたいな。」
正直戦争どころでは無い。
マキュリファウンスと俺の未来が掛かった戦いまで17年しかないのだ。ヒトの領土やら因縁など二の次だ。
「貴様!それでも王族か!」
兄貴は怒鳴る。
ごもっともな意見だと思う。
普通の王族だったらね。
「俺は王位継承に興味もないし、ウィルが継いだら出て行くし、将来は田舎で自給自足の生活をするんだ。」
「貴様!何だその口の利き方は!」
「家族だから良いだろ。」
俺は王位を継承する気はない。
その事が無責任に感じたのだろう。
互いに白熱していく。
「やめろ、おまえら。」
親父が割ってはいる。
「俺も国はウィルに継がせるつもりだ、バーンには王の資質が無い。」
ハッキリ言いましたね父上!
「だがバーン、我が国の悲願なのだよ。大陸西の覇者になる事がな。それにはお前の力が必要不可欠だ。ウィル、バーンは剣も魔法も規格外の怪物だ。しかしコイツには常識が全くない。お前が導いてやってくれ。兄貴としてだ。そして平定に力を貸してくれ。ロビンも含めて俺達なら絶対出来る。」
親父の熱い語りにはこみ上げるものがあった。
俺もそれを全力でサポートしたいと思った。
「よろしくな。ウィル兄。」
「フッ、まずは言葉使いからだな。」
兄貴は硬いが話せば分かるヒトで良かった。
ひと悶着あったが、俺達家族は絆を深めたのであった。
いつもありがとうございます。




