わい、伝言を伝える。
ヴァンデミュオン編の後書きで締めくくります。
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俺はティファとドゥドゥベに来ていた。
ティファと一緒に来ないと門前払いだからな。
「ドドランナはいるか?」
「太陽の子!?」
ミフォルティナは驚いた様子だったが直ぐにドドランナを呼びに行ってくれた。
ティファはイヴェンヌに会いに行くため席を外した。
そして一分程でミフォルティナはドドランナを連れて来てくれた。
「私が恋しくなったのかしら。」
「ああ。」
「そんな……私には愛する家族が……」
「その新しいくだりはいつまで続けますか?」
ミフォルティナのツッコミが入ったところで本題に話しを移す事にした。
そしてミフォルティナにも席を外してもらい、ドドランナと2人きりとなった所で俺は切り出す。
「どうしたのかしら?改まって。」
「ヴァンデミュオンからの伝言だ。」
「パパから!?」
ドドランナは鳩が豆鉄砲をくらったような顔をしていた。
「ああ、俺はシェフィルセフィルの城からオルガードの遺言を見つけた。」
「へぇ、凄いじゃない!」
「その中にはシェフィルセフィルの森のエルフ達への想いが書かれていてな、俺はソイツらに会ってきた。」
「へぇ……生きていたのね……」
「ああ。ソイツらの中にヴァンデミュオンの最期をみとった奴がいてな、ソイツからヴァンデミュオンの伝言を預かった。」
「パパ……何だって……?」
俺はエルフの長老から聞いた話しをドドランナに全て話した。
「女ならジュリアーニュ。」
「……嬉しい……パパ……有難う……」
ドドランナは直ぐにヴァンデミュオンの思いを理解した様子であった。
「そうだ。お前の本当の名前はドドランナじゃない、ジュリアーニュだ!」
そう俺が宣言するとドドランナの体にマナが集まり始め緑色に輝き始めた。
「う、うそ……こんな事って……」
ドドランナ……いやジュリアーニュはハイエルフへと進化し、その姿はとても凛としていた。
神の眼で覗くと名前がジュリアーニュへ、種族がハイエルフ、職業が世界樹の巫女へとそれぞれ変化している。
「あぁ……パパ……ママ……」
ジュリアーニュは両親の事や今までの辛い事を思い出しているのであろうか……
声を殺しなが長いこと泣いていた。
「落ち着いたか?」
「ええ、それにしても本当に君は不思議な子ね。」
「何が?」
「普通名前をつけて種族を進化させるなんて神の成せるわざよ?普通じゃないわ。」
「え?ヴァンデミュオンの力じゃないの?」
「ううん、普通は一度つけられた名前は変更はできないの。神でもない限りね。」
グッハ!やっちまったぁあ!
「ぁのぅ。その事は内緒に……」
「どうしよっかなぁ~。」
「あぁ!そういうのよくねぇぞ!」
俺はドドランナ改めジュリアーニュに弱みを握られる事になったのであった……
モウツゥエにつきましては後でチョロッと触れておくていどにします。




