俺はヴァンデミュオン2
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俺はクララド平原に出来た新たな街へ来ていた。
「おいオルガード!あれは一体どう言う事だ!」
「あれはボルガラの毒だ。」
「違ぇ!そんな事じゃねぇ!何でオメェが行かねぇんだ!」
「……それは……」
「勇者とか王とか祭り上げられて調子にのってんのかよ!」
「…………すまない……ヴァンデミュオン……」
俺がオルガードに言いよるとミストファールが割って入ってくる。
「そこまでですヴァンデミュオン。オルガード陛下はすでに……」
「ラティア!それはダメだ……」
「でも……」
「けっ、腰抜けが!女に守られるとはオメェも焼きが回ったな!」
「オルガード様は不治の病なのです!神聖法術が効かない程の……」
「なっ」
俺は絶句した……そして次の瞬間には怒りがこみ上げてきた。
「何で直ぐに俺に言わねぇ!一人で抱えやがって!俺はオメェのダチじゃねぇのか!」
「ごめん、ヴァンデミュオン……ごめん。」
オルガードは悲痛な表情をしていた。
「オルガード様はあの戦いの後から魔力を遮断する体になってしまい神聖法術はおろか、ありとあらゆる魔術を通さない体になっていました。そしてボルガラの毒に触れ、後は死を待つだけの体となったのです。皆に心配をかけぬよう、誰にも言うなと口止めされておりましたがヴァンデミュオンになら伝えるべきと思いわたくしの口から言わせて頂きました。」
「……ごめん。」
オルガードはもう一度、俺に頭を下げた。
「……オメェの事だ、もう調べはついてんだろ?何処のどいつだ!ドドラウツェはどうした!」
「デュルカラーンドゥドゥベのエルフ達……そこにドドラウツェもいるはずだ。」
「アイツらか……」
「だけどあそこには結界があって普通のヒトでは侵入できない。保護したシェフィルセフィルのエルフ達に頼る訳にもいかない……今は八方ふさがりなんだ。それこそ僕が行こうと思っていたくらいだよ。」
「おやめ下さいオルガード様!」
「けっ。病人は寝てやがれ!俺が行ってきてやる。」
「ヴァンデミュオン……それは……」
「俺達はダチじゃねぇのか?」
俺はオルガードの目を真っ直ぐ見て言った。
「あ、ああ。もちろんだ。」
「だったら黙って甘えろ。俺はお前の事を勇者だの王だの思っちゃいねぇ。ただの俺のダチ、オルガードだ。ダチが困ってたら助ける、それが俺達のもっとうだろ?」
「すまない……」
「ちげぇな。ありがとうだろ?」
「ありがとう……ヴァンデミュオン……」
オルガードの目には涙が流れていた。
俺はオルガードを抱きしめた後、保護されたシェフィルセフィルのエルフ達のもとへ向かった。
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