オルガードの伝説20
オルガードの伝説、完結です。
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「行くぞ……ダンジョンコアを破壊しにな……」
「モウツゥエ……ビドワンが……ビドワンが死んだんだぞ!いや、俺達が殺したんだぞ!せめて……弔って……」
「オルガード……。モウツゥエの気持ちも考えろ。」
「何でだよ!何で仲間が死んだのに!」
「ビドワンと一番長く時を過ごしたのはモウツゥエだぞ!?モウツゥエが悲しくねぇわけねぇだろ!ビドワンは俺達が生きる事を願って死を選んだんだ!未来を託してだ!俺達が今やる事はダンジョンコアの破壊だ!1秒でも早くな!」
「やめて下さい!ヴァンデミュオン!今は仲間同士で争っている場合では……」
「ごめん!モウツゥエ。」
モウツゥエに土下座をした。
僕は自分の事しか考えていなかった……3年間苦楽を共にしてきたモウツゥエが一番つらいしビドワンの気持ちを一番分かっているハズなのに……僕はモウツゥエに……
「ふん、分かれば良い。行くぞ……」
3日後、僕達はダンジョンコアを破壊し地上へ戻った。
同時に魔王城は消滅し、そこにはただ平原が広がっていた……
そしていつもの様にヴァンデミュオンが語り合いを始める。
「で、どうするよ?これから……」
「私は自分の理想の国をアクアザード遺跡を使って創るつもりだ。もうデュルカラーンドゥドゥベには戻らない。お前達のようなヒトがいるならばヒトと国を創るのも悪くないと思ってな。」
「へぇ、いいじゃねぇか!ドドラウツェはどうすんだ?」
「私はシェフィルセフィルの森でゆっくりしようかな。」
「んじゃあ俺もそこだ。」
「バカな事言うんじゃない。」
ヴァンデミュオンはモウツゥエに怒られていた。
「んで、オルガードは?」
「僕もここに国を建国する。モウツゥエに負けない理想の国だ。今回協力してくれた傭兵や冒険者達とみんなでね。」
「良いですわね!ネルビク何てどうでしょう!古代語で旅人の国と言う意味ですわ!」
「へぇ、いいじゃねぇの。皇女様はオルガードとコレか?」
ヴァンデミュオンはいやらしい顔で皇女様を見る。
ヴァンデミュオン……不敬罪だよ……それ……
「正直そうしたいですわね……でもわたくしは一度ヴァリエスに戻りますわ。いずれまた会いましょう!」
再会を約束し解散となった僕達だったが今思えば全員が揃ったのはこれが最後だった……
僕はここに残る事に賛同してくれた10,000の戦友達とクララド平原に町をつくり国を興した。
魔王を倒した僕達の噂は瞬く間に広がり英雄として祭り上げられ新設国ネルビクには各地からヒトが集まった。
そうそう、僕は建国から2年後ミストファールと結婚した。
ヴァリエスの皇帝から英雄王の正妻であれば問題なしと言われミストファールはネルビクに送り出されたそうだ。
色々な事があったけど僕は幸せの絶頂を迎えた。
ここで僕の物語は魔王を倒した勇者の伝説として歴史に残った……ハッピーエンドとして……
しかし、この後に起こった僕と仲間の悲劇は後世にはあまり伝わっていないようだ……
何話かあけてオルガード達に起こった悲劇を書こうと思います。




