エルーニィアの過去と現在1
エルーニィア過去編、はーじまーるよー!
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「アイツは預言者か……」
前方からリフェレクト率いるネルビク軍が現れた。
「ようリフェレクト、遅かったじゃねえか。」
「なぜ貴様がここに!」
「うちのガキに預言者がいるんだよ!」
あれはバーンをシェフィルセフィルに送り出す日の事だった。
「いや、親父!話しを聞いてくれ!多分これは罠だ!魔王なんていやしねぇ!」
「はぁ?」
「瘴気と魔素を探ったが、それらしきものが感じとれねぇ。何を考えてるかは知らねえが、ヴェルコニア、アクアザード、アーデルハイムの防衛ラインに王族含む最強戦力を置いて備えてくれ。期間は俺がネルビクから戻るまでだ。なるべく隠密にな。」
「おう、根拠は知らねえがやっとく。」
まさか本当にネルビク軍が攻めてくるとは……
そうバーンに苦笑いをすると絶叫とも言える声が耳をつらぬいた。
「エルーニィア!因縁の決着をここでつけてやるぞ!」
「はいはい。」
因縁か……
「そうやって余裕をかましていろ。直ぐに兄の元へ送ってやる……」
「テメェ……エブラを侮辱したな!」
「ふん、邪魔だから消したまでよ。」
俺達はヴェルクハイブ家に双子として産まれてきた。
兄の名前はメレェム・エブラ・ヴェルクハイブ。
何をするもの一緒で、学問や武術について切磋琢磨して育った。
エブラは真面目で、一生懸命で、王になるのはコイツだと思っていたし、俺は王家を出て行くと考えていた。
そんな俺達だったが5歳になるとお互いが別の道に歩む事となる。
俺は現在帝国に滅ぼされたマチュアーリュ王国へ、エブラも今は亡きロヴァンヌ公国へ学びの旅へと出された。
「エイブ、10年後に成長した姿で会おう!」
「わぁったよ!エブラは固ぇなぁ~。」
俺はエブラを心の支えに、エブラは俺を心の支えに、苦しい日々を乗り切り成人になるとヴェルコニアへ戻った。
「エイブ、良い面構えになったな。」
「エブラは相変わらずだなぁ。」
成長した俺達は魔境の平定やフィルハザードの撃退に精を出し快進撃を続けた。
そんなある日、父であるノクターン陛下が倒れた……
それは俺達が19の時だった。
「エブラ、エイブ。ワシはもう長くはない……」
「陛下!弱気にならずに我々を導いて下さい!」
「親父……」
「嘆くでないわ。ワシが目の黒いうちに後継者を決めねばならんのは分かるな?ブリュアーヌ様からの言い伝えから、より勇猛な者を次の王とする事となっておる。よって、今この場で双方たちあえ。」
「「今ですか!?」」
俺達は声を合わせ驚いた。
数日後では無く今すぐにだ……何の心の準備も出来ていやしなかった……
しかし俺の心は決まっていた。
俺はエブラを王にするつもりだった。
そして立会は直ぐに始まった。
「双方構え。始め!」
数回斬り結んだ後に俺が隙を見せると、エブラに剣を弾き飛ばされた。
「くっ!まいった。」
一瞬の沈黙の後……ノクターンの親父が立ち上がる。
「エイブ……なぜ手を抜いたのだ……」
「え。あ、いや……」
「エイブ!手を抜いたのか!?」
「そ、それは……」
親父に手を抜いたのがばれた。
「そんな事でエブラが喜ぶと思っているのか!」
「そうだ!私にも失礼だぞ!真剣に斬りあえ!」
「…………」
俺は気がすすまなかった……
この14年で俺達は圧倒的な差がついてしまった……
エブラの剣がスローに見える程に。
「双方構え。始め!」
再び始まった斬り合い。
せめて早く終わらそうと振った剣がエブラの右腕を切り落とした……
「勝負あり。王太子はエイブ、貴様だ。」
次の日、エブラはヴェルコニアから姿を消した。
噂ではネルビク王国へ渡り、公爵家の婿養子となったそうだ……
その後、俺は最愛の兄であるエブラと再会する事は二度となかった。
どうしてこんな事になっちまったのか今でも分からない……ただ…今でも俺は玉座が嫌いだ……
一日3話が限界な今日この頃……




