わい、城門から外へでる。
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あれから分かった事は、この世界では付与師と言われる魔導具の職人は非常に少なく魔法大国のレイムリファウンですら10名もいないらしい。
さらに魔術付与は最上級の魔術師のみしか行えない故、そのような人材は各地の戦地や魔境に駆り出されており付与師になるヒトは一握りなのだという。
また高額で取引されているのは武具であり、誰も生活用品に付与する者はいないとの事だった。
因みに剣1本で貴族の屋敷1棟以上するらしい。
それを知った俺は、王宮鍛冶師ゴードンと共に開発した空調機、トイレ、風呂を輸出し、ヴェルコニアの財政は一気に豊かになった上、他国との関係も良好になっていった。
そして輸出品を造り始めてから、1年程が経過したある日の事。
「バーン。国が豊かになったのは、お前の功績が大きい。しかし、王国の掟で5歳になるまでは表に出せないのもあり、褒美を表向きに与える事ができない。だが、何かお前が望む物があれば言ってみろ。」
「はい!もう決めてあります!外に出たいです!」
( ̄ー+ ̄)フッ俺が欲するのは自由……それだけだ。
「ぬぅ……まぁ、良かろう。」
「やったー!」
俺はついに自由だ!
「ただし日没が門限だ。」
門限はあるようだが、外に出られるのは大きい!
こうして真の冒険が始まった……
俺は食堂に向かい、料理長のルーヴェンに弁当を作らせる。
「アルデルシア様!お出かけですか!?」
お前はホウキをもった着物のおっさんか。
「とうとう陛下からお許しがでてな。」
二人でいる時以外は親父ではなく陛下と呼んでいる。
「料理教室はしばらくお休みですね。」
俺は食事を摂取する必要は無いのだが、味覚はあるので食べたい物を食堂で作ってたら勝手にコイツは俺に弟子入りしてきたのだ。
昼戻りする時間がもったいない為、皆が食事を心配するだろうと思い一応弁当を持って行く。
何処へ行こうかなぁ♪
俺はウキウキしながら城門を出でた。
「冒険の最初と言えばゴブリンかスライムだろ。」
『北の岩山にゴブリンが棲息しています。』
「お!さすがリーザちゃん!優秀な秘書ですね!」
俺は鼻唄混じりに岩山を目指して歩いていった。
すると、あら!?
ゴブリンらしき魔物を発見!
うっしゃ!戦うぞと思い剣を出そうするが……
剣を忘れた。
って言うより俺ってば武器を持っていない。
どうしたもんかと考えていると……
はっ!閃いた!
「おうゴブリンみてぇなの!お前、良い武器持ってんな!」
俺はゴブリンの後ろに回り込み、チョップで気絶させ武器を奪った。
「レディは寝てな。」
一度言ってみたかったやつ。
さて、武器も手に入れたし、ガンガン狩って行こう。
「この山って相当高いなぁ」
『この大陸で一番の高さとなります。』
時間もあるし、しばらくは登頂を目標にするかな。
その後、狩りを続けつつ登山をしていくが、日没近くなったので、目印をつけ転移魔法で城へ戻った。
すると城門で見張りをしているマルクスから声を掛けられる。
「アルデルシア様、外は楽しかったですか?」
「うるせぇ。不敬罪で処刑の刑に処するぞ。」
「普通に話しかけただけじゃないですかw」
門番のマルクスは剣の腕はたつのだが、如何せん気が弱い。
なので俺が毎日精神の修行をつけてやっているのだ。
「冗談だよ。今日は登山に行ってきたよ。」
「ウィンドゥルガン山脈ですか?あそこは魔物の巣窟なので、遊ぶにはヴェルコニア平原か西の森が良いですよ。」
「参考にしておくよ。」
いやいや。俺の行動目的は強くなる事だから魔物が出ないと困るのよね。
次の日は面倒だったので、自室から転移魔法を使用して目印までとぶ。
部屋には幻影魔法で俺のコピーを貼り付けておいたので安心だ。
簡単な受け応えなら出来る。
そして昨日と同様に狩りを進めて行くのだが……
「風竜と翼竜だと?あのデカさは老竜だな。」
風竜1体
翼竜5体と遭遇した。
『ここから先は竜の巣となります。風竜は風を従えており速さが武器です。』
逃げるのもありだがココは戦ってみるか。
俺は戦闘態勢に入った。
いつも有難う御座います。




