エミリオ奮闘記4
エミリオ奮闘記、続きます。
5/11修正
エルクレアのファミリーネームを追加。
「はぁ?」
エルクレアは間抜けた顔をしていた。
「さあ。」
「でも、わたくしは罪人で……」
「罪人かどうかを決めるのは僕です。さあ、僕の気が変わらないうちに。」
僕は手を差し出した。
「……はい。」
力の無い返事と共にエルクレアは僕の手を取った。
僕は弟からドラゴンのルシェルを借りてレイムリファウンへ向かった。
「わぁあ~外の景色を見るなんてレイムリファウンを出る時以来ですわ……しかも空を飛ぶだなんて夢みたい……冥土の土産になりますわ……あ、レムリア城!」
ルシェルに乗っているエルクレアは楽しそうでもあり、悲しそうでもあった……
そして僕達はレイムリファウン王との謁見へ向かった。
幸い謁見の申し出は直ぐに許可がおりた。
「おぉエミリオ殿、今日はどうしたのじゃ?」
レイムリファウン王は少し元気が無いように見えた。
兵を失い今度は娘を失おうとしているのだから当然であろう。
「陛下に謁見を希望されている者がおります。身元は私が保証します。」
「エミリオ殿がそこまでする者じゃ、よかろう……」
「入って来て下さい。」
しばらく間を開けてエルクレアが姿を現す……
「…………ぉお……エカチェリア……エカチェリア!!」
「……お……おとう……さま……」
「もっと近うよれ、顔が見えん……」
「ふふふ…お父様…おとしを……召しましたね……」
「ワシは……お前に父と言われる資格などない……」
「わたくしこそ!わたくしはお父様に酷い言葉を投げつけました!今なら分かるのです!王としてのお父様の判断が!王家に産まれながら……そんな覚悟が出来ていなかった自分を恥じております……お父様、御免なさい……」
「言うな……エカチェリア……ワシがもっと立派な王であれば……ワシが偉大であれば帝国など……お前に政略結婚など……許してくれエカチェリア……」
「許すもなにも……御座いません……」
「こんなワシを許してくれるのか……有難う……エカチェリア……」
「お父様……」
二人はまるで、離れていた時をうめるように抱きしめ合っていた……
エルクレアの金色の瞳から流れるその涙は輝きを放ち美しかった……
「最後にお父様に会えてよかった……有難う御座います。エミリオ様。」
「……エカチェリア……。」
僕はここに来る前に心に決めている事があった。
勇気を振り絞り、僕の胸の内を語る事にした。
「レイムリファウン王、私は……私は……」
「どうしたのじゃ?エミリオ殿?」
くそっ言葉がでない!母上!僕に勇気を……
「エミリオ様?」
僕は頭が真っ白になりヤケクソで思った事だけを話した……
「僕はですね!エルクレア様と話しまして人柄に惹かれましたといいますかその……」
しまった僕は何を言ってるんだ……もう良い単刀直入に行け!当たって砕けろ!
「エルクレア様と結婚前提にお付き合いしたいなぁ……と……」
またやってしまった……僕ともあろう者が……
なんと曖昧で中途半端な……
「エミリオ殿……」
レイムリファウン王は鋭い表情で僕を睨んだ……
今日中に完結できないカモ……




