わい、手に職。
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あれから親父との訓練は続いている。
そして2つのスキルを創造した。
スキル【手加減】:相手のHPのみを削り、絶対に死なせない。
スキル【ステータス操作】:力や魔力を調整できるようになります。
これがあれば模擬戦でも相手を死なせる事も無いし、相手に合わせステータスを操作すれば良い練習が出来る。
だからこの間のような惨劇はもう起きないハズ!
俺も親父もお互い成長してホクホクだ。
そしてついに俺は城内へ冒険の旅にでた。
が………
この城せま!まるで50ゴールドと銅の剣しかくれない王様の城ばりにせまい!
どうやらこの小国は建国以降も他国からの侵略戦争、大量にある魔境からの魔物の襲撃が絶えず続いている事で貧困問題が深刻化しているようだ。
ではなぜこの国が存続出来ているかを話そう。
ヴェルコニアは大量にある魔境の魔物を狩り、その素材を輸出して金を稼ぐ。
戦火の絶えないミラルド大陸では武具の原材料にあたる魔物の素材は非常に貴重であり、高値で取引きされる。
っが、それには凶悪な魔物を狩れる優秀な兵が必要不可欠だ。
ではどのようにして優秀な兵を集めるのか?
その答えは簡単。
我が国は優秀であれば平民からも良い給金で軍に入隊させてる
これは他国には無い制度らしく、他国の兵士は全て騎士団であり貴族なのだ。
いくら腕っぷしに自慢があるヤツでも国の騎士にはなれない。
もちろん例外もあるが、それは英雄になるレベルの偉業を成し遂げた者であり実質不可能と考えて良い。
良い血統で良い戦士を生む。
これが大陸の常識らしい。
しかし我が国は「民は宝だ」をキャッチフレーズとし、一般人にも訓練等をさせ国力を上げているので猛者が多いのだ。
が、せっかく魔物狩りで稼いでも防衛戦の出費が凄まじく、相手側からの賠償金や土地が入ってくるハズもなく如何せん金が入って来ない!
だが給料は兵に払う!だから王家は貧乏なのだ!
お金が全然無いクセに、兵士に給料いっぱい出しちゃうからさ!(強調)
だが、俺はそんな大馬鹿なこの国が大好きなのである。
だから俺は策を講じる。
新たな特産物を作れば良いじゃない!
「親父。魔物の素材以外にも輸出って出来るのか?」
「そりゃ出来るが特産物は魔物の素材くれえで、この国にはマジでなにもねえぞ。」
同盟国であるレイムリファウン王国は魔法の国と言われ、魔導具の輸出が資金源らしく、ほぼ独占市場なので金持貴族も多いようだ。
レイムリファウンのように独占できる物があれば……
金持ち、貴族、金の使い道……
「お!?」
俺は突然閃いた。
「美容用品を輸出しよう。」
「売れるわけねぇだろ。」
「貴族や金持ちをターゲットに絞って売るんだよ。貴族は大物に取り入ろうする為に娘に大金をつぎ込むだろ?」
「なるほど。っで、その美容用品ってのはどう生産するんだ。質が悪ければ売れねえぞ。」
「工場を造ってくれ。規模は普通の一軒家ほどで良い。そこで謎の薬剤師が美容用品を造るってところさ。質については……」
俺は一通り親父にプレゼンをし、納得させる。
前前世の営業マンとしての能力が報われた瞬間だ。
「いやな予感しかしねぇが10日待ってろ。」
そして10日後、俺は親父と工場用に建てた物件の前に来た。
もちろん親父に頼んで人払いもしてある。
俺は煙突に日の出から日没までシャンプーの香りを発する魔法をかけ、工場の扉を封印した上で結界をつくった。
「工場が延々と稼働しているみたいだろ?」
「ふむ。実際はお前が城でつくると言うのだな。」
「こういう物は独占してなんぼだからな。あとは売り方だが戦略的にはレイムリファウンの王族、貴族達に三日分だけ無料でサンプルを配布してきてほしい。」
「金はとらないのか?」
「ああ。すぐに向こうの方からお願いします!って来るさ。」
俺は城に戻ってから親父にシャンプー、トリートメント、乳液を創造し、手渡した。
数日後、予想通り大量の発注が来て、こってりと魔力を消費し続けたので、お城の大冒険どころでは無くなってしまったのであった。
いつも有難う御座います。




