わい、乗り物を考える。
ドワーフとの宴からです。
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ドワーフとの宴は死闘であった……
俺は【創造】で酒をこんなに造らされると思わなかった。
アイツらの胃はブラックホール顔負けでアルコール度数の高い酒をしこたま飲ませたのにも関わらず「うまい!」しか言わず全くもって酔わない。
酒豪の多いヴェルコニア軍も全滅に追い込まれる程であった。
「うぅー。魔力を使いこみすぎた……」
マキュリファウンスへ来て一番魔力を消費したのでは?って程に魔力酔いが激しい。
「おう。アルデルシア!楽しかったな!」
「おぅ……そぅだな……」
こ、こいつ……。
ドワーフの王ギムドはご機嫌だった。
「そうだギムド。お前達は何で自国にマンブーダなんて名前をつけたんだ?」
マンブーダ、古代語でゴミの山だ。
「俺達が付けた名前じゃねえ。10年前、勝手にヒトにつけられ、あの岩山に追い込まれたんだ。村をいくつもやられてな……」
亜人差別か……恐らくマリュウスだな。
「お前達にお願いしたい事があるんだ。」
「おう、死ね以外の命令なら何でも聞いてやる!」
「まずはマンブーダを放棄しろ。そして、新たなドワーフの街を造れ。金はヴェルコニアが持つ。」
「い、いいのか?」
「ああ、土地は鉱脈の付近で良いだろ?兄貴から許可はおりている。」
「廃村になった俺達の村がある……そこを使わせてくれ。」
「良いだろう。」
段取りは既にできている。
コイツらを何時までも汚い洞穴に住まわせておけないからな。
「そして、アクアザードに何名か鍛治氏を派遣してくれ。」
「街に入っても良いのか?」
「いいに決まってるだろ?マンブーダを放棄するんだからお前達はヴェルコニアの民だ。お前には国王を辞めて貰うがな。ドワーフ達の説得は任せるぞ。」
ドワーフの国の運営はうまくいっていない。
商売っ気が無いからだ。
そこは俺達で補えば良い。
「おう!アイツらにゃ文句は言わせねえぜ!」
よし、本題だ。
「最後に俺が考えたプロジェクトに大人数を派遣して欲しい。」
「プロジェクト?」
「ああ、名付けて魔導列車プロジェクト。」
「魔導列車?」
「ああ、魔導列車はヒトや荷物を乗せレールと呼ばれる列車専用の道を通り高速で走る乗り物だ。」
「ピンと来ねえな。」
「これが構想だ。」
俺は【創造】で作成したミニチュアの模型をギムドに見せた。
「こ、こりゃすげぇ……」
「これは実物の約1/200だ。レールは俺が造る。お前達は本体を造ってくれ。期限は8ヶ月、大まかな図面も渡しておく。」
「任せておけ!凄えもんを造ってやるぜ!」
これでルシェルの負担がへるな。
この時、俺は気づいていなかった。
この魔導列車がヴェルコニアを大きく変える事を……
いつも有難う御座います。




