わい、ドワーフを解放する。
今日の更新は少なめになります。
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俺はファーガンへ潜入する事にした。
ファーガンは海軍の駐屯地となっており、ヴェルコニアに統治された後もこの街を離れようとはしない。
兄貴も海軍を下手に刺激をすると内戦になる恐れがある為、コイツらに頭を抱えている様子だった。
先ずは造船所だな……
ファーガンの街につくと、直ぐにそれらしき建造物があった。
「ここか……」
巨大な港に備えつけられた要塞のような施設がそびえ立っており、現在も増築の工事が進んでいる事からアクアザード城よりも巨大な軍事施設と化していた。
「あちゃぁ。こりゃ勝手に予算使っちゃってまぁ。」
ヴェルコニアにこの情報について一切報告はない。
海軍はヴェルコニア軍に適当な報告をし、我々をファーガンに近づけようとしなかった。
表向きは先ほど言ったように内戦の恐れがあるので強引な調査は避けていたのだが、現状はフィルハザード領の安定化が最も優先であった事から、海軍に対し強引な調査を行わずに放置していたのだ。
そうしたらこの様だ……
ぶっちゃけ俺達ヴェルコニア軍が本気を出せば一瞬でお前らなんか潰せるのにな。
「やりたいようにやり過ぎたな……ここは一発ガツンとやっちまうか。」
俺はニンジャスキルで気配を消しつつ要塞内部へ潜入した。
「先ずはドワーフの親方の息子が無事かどうかの確認しねえとな。」
しかし張り切って探すまでも無かった。
要塞の増築工事をドワーフ達が行っていたからだ。
俺はドワーフが一人だけ囚われていると思っていたが、ざっと要塞内を確認した結果、奴隷とされているドワーフは300をゆうに越えていた。
しかも劣悪な環境で睡眠や食事もとらせてもらっていないのに要塞の増築と造船を強制的にやらされていた。
さらに調査を進めていくと、個室である人物を発見した。
「あれは……フィルハザードの宰相……」
何やら偉そうな軍人達と打ち合わせをしていた。
「ダムザス、マリュウス殿下と女王陛下との子は。」
「はい、無事に御座います。」
「あの双子の赤子は我々の未来。男女別の双子が産まれくるとは高潔な純血を守れと神が神託を授けてくださったも同然じゃ。」
おいおい。マリュウスは実母との間に子供つくっちゃたのかよ!フィルハザードはある意味すげぇ……
「軍は?」
「既に整っております。竜騎士団とヴェルコニアに攻め込みます。」
「クックック。アクアザードではなくヴェルコニアを攻めるとは夢にも思わぬであろう。で、実行は?」
「今直ぐにでも……」
おお、いいね!一網打尽にしちゃおうかなぁ♪
「よし!広場に集めよ!そこで決起集会を行いヴェルコニアに攻め込むぞ!」
「「は!」」
ふむ、コイツらは恐らく旧フィルハザードの宰相、海軍大将、竜騎士団長だな。
態々広場に全軍集めてくれるなんて超ラッキーじゃん♪
間抜けなフィルハザードの残党達は誰も潜伏いるとは思っておらず、要塞内はもぬけの殻となっていた。
俺はその隙をついてドワーフ一人一人を解放していった。
「おう、大丈夫か?俺はアルデルシア。仲間も解放しようと思うが俺の指示に従ってくれるかい?」
「お主、逃がしてくれるのか?」
「ああ、俺はヴェルコニアの者だ。マンブーダでお前達が監禁されている事を聞いてな。」
「ヒトは信じぬ。」
「まあ、それだけの事をやっているからな。じゃあ他のドワーフにお願いするとしよう。」
「まて……ガンドルフだ。同胞を救ってほしい。」
素直じゃねぇなぁ。
「さっさとやるぞ。」
俺は魔法で奴隷とされていたドワーフ達を片っ端から解呪していき完全回復と浄化をかけていった。
「これで全部か?ガンドルフ。」
「ああ……恩に着る。」
「よし、行くか!」
俺は要塞の正面から出ていった。
そして当然の如く決起集会中のフィルハザード軍とバッティングする。
「お主!騙したのか!?」
「まぁまぁ。落ち着いて、ガンドルフ君。」
「これが落ち着けるか!!」
ガンドルフ達ドワーフがギャーギャー騒ぎ出したので1度結界に入ってもらった。
いつも有難う御座います。




