わい、家族団欒する。
フィルハザード軍との直接対決へ……
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エブラーダ砦から戻る頃には親父達もバンダーンへと到着していた。
「久しぶりに全員が揃ったな。」
親父が口を開く。
親父、ウィル兄、ロビン、俺、家族水入らずだ。
「1年振りですね。」
兄貴が親父へ返す。
「で、アクアザードへの進軍は?」
「明日の早朝に御座います。」
「ふむ、ここまでフィルハザード攻略の全指揮をお前に任せて来た。俺から言う事はない。300年の因縁に決着をつけてこい。」
「はっ!光栄に御座います。」
「相変わらず兄さんは堅いね。軍事会議じゃないんだから。」
「ふん、お前達は少し緊張感を持たんか。」
「えー!俺まで被弾してんじゃねえか!ロビン!」
「せめて兄さんをつけろバーン。」
「いいんだよ兄さん。僕達に取って兄さんはウィル兄さんだけだからね。」
「ふん。貴様が良ければ何も言うまい。」
この感覚、久しぶりだなぁ。
本当に家族って良いなぁ。
「もうここまで来たんだね……」
「ああ、永かった……300年だ。」
「おら、おめぇら明日は早いんだ。もう寝ろ。ここで負けたら歴史に残っちまうぞ。」
「負ける訳ねぇだろ。俺達はヴェルクハイブだぞ!」
「はは、心強いね。でもバーンは戦わないんでしょ?」
「そうだったw」
「「「「ハッハッハッハ」」」」
いよいよ明日、ヴェルコニアの悲願がなされる……
俺には関係ない事だと思っていたが、この戦争中にヴェルコニアとフィルハザードの因縁を深く知った。
初代国王ヴェルクハイブ1世から続いた因縁にピリオドを打つ時がきたと思うと何だか俺も胸が熱くなった。
翌日早朝
ついにヴェルコニア軍はフィルハザード王国が首都、アクアザードまで進軍した。
「ヴィクトール将軍!フィルハザード軍より使者に御座います!」
「ウィル、フィルハザードのやり方は分かっているな。斬ってしまえ。」
「……いえ陛下。この者に罪は御座いません。そこの者、要件は何だ。」
「マリュウス殿下より伝令に御座います。」
『我々は多くの血を流す事は望まない。
フィルハザード軍5名、ヴェルコニア軍5名を代表として一騎打ちを行い、どちらかが全滅するまで続け勝利した方が敗北した方の要求をのむ。』
「フィルハザードより正式な決闘の申し込みとなります。よろしければこちらに署名を。」
圧倒に追い込まれている国の態度じゃねぇな。
まあ、どちらにせよヴェルコニアの優位は動かない……
「ようかろう。書状をよこせ。」
ヴェルコニア軍がざわつく
「…………」
親父は沈黙を貫き、ただ兄貴の行動を見守っている。
不穏な空気が流れる中ヴェルコニア軍ならびにフィルハザード軍の運命をかけた対抗戦が正式に調印された……
アクアザード城
「マリュウス殿下、ヴェルコニア軍は予定通りこちらの要求をのみました。」
「ア~ハッハッハッハ!ヴェルコニアは相変わらず脳筋だねぇ。ヴィクトールは12年前の事をすっかり忘れたようだ!」
「フフフ。あの初代様よりブリュアーヌを超えフィルハザードの完全体と言わしめた殿下の力。目の当たりにしたヴェルコニア軍のアホ面が目に浮かびますのう~。」
「ああ、主力はアクアザードに温存しているとも知らずに連戦連勝でのぼせ上がっているんだね。こちら側が誘い込んでいるとも知らずに……」
「要は王を取れば勝利……」
「そう、兵を引いてこちら側に王族を呼び込んだ上で滅亡させれば後は勝利宣言をするだけ……そして帝国は今頃ヴェルコニアに進軍しているはずさ。バカみたいにがん首揃えてフィルハザードに来るなんて愚者の極み。ヴェルコニア滅亡まで秒読み段階だ……フフフ……」
アクアザード城にてフィルハザード軍は、自軍の勝利を確信していた……
次回からヴィクトールのサイドストーリーへ移行します。うまくまとめたいです……




