わい、勉強する。
常識を少し学びます。
5/4微修正
今日から常識の勉強が始まる。
望むところだ。
今の俺は知識に飢えているのだ!(-_☆)キラーン
「アルデルシア様、おはよう御座います。」
「おはようミーレ!」
「しゃ、喋った。1歳の子がハッキリと……」
しまった!親父と喋る感じで返してもうた!
「陛下におちえてもらったの。」
どやさ!甘噛みしてやったぜ。
「王子は神童なのかも知れませんね……今日は絵本を読みましょうか。」
「わーうれしぃー」
ぐはっ!つまんねぇ童話からかよ。
「昔々……」
それから数日間、絵本を延々と読み聞かされ、共通語の書き取りコンボが続いた。
まぁ結果から言うと絵本は面白かった。
数々の英雄や勇者の伝説を聞くのだが、そいつらは間違いなく転生者だろうと推測でき、共感出来る部分が多く笑った。
文字の読み書きは既に出来るので、適当に3日ぐらいでマスターするふりをした。
☆ミーレ
私はミーレ、ヴェルコニア王国のメイド長。
ヴェルコニアの第三王子であるアルデルシア様は紛れもなく神童です。
まず、1歳になったばかりなのに会話が出来るのです。
普通1歳だとこっちの言うことを理解出来れば早い方なのに、普通に会話をし、疑問点があれば質問もしてきます。
文字の読み書きも恐るべきスピードで吸収し、現代語にこっそり古文書を混ぜたのですが、ヴェルコニアの宮廷魔術師でも読解不能な文字をスラスラ読み始めたのです。
アルデルシア様、王子が訳している本は誰も解読出来ないでいる古代語の古文書ですよ?
☆アルデルシア
うし!今日から歴史やら魔法の勉強だっけか。
でも魔法はお腹いっぱいだなぁ……
「失礼いたします。」
「はーい!」
「おはよう御座います王子。私は宮廷魔術師のウルガと申します。以後よろしくお願いいたします。」
「はーい!」
先日の教訓の活かし子供っぽく喋ろう。
「では世界の創世から。始めはヴァルディヴァラム様と言う創造神がおりまして、孤独から精霊を従者として産み出しました。それが精霊神である……」
へぇ~恐らく進化論とかではなくこの世界だとこれがリアルなんだろうなぁ。
ヒトが産まれるまでの過程はとても興味深かった。
その後、ヴェルコニア王国の設立や、近隣国との対立、大陸の強国、宗教についてなど、様々な事を学んだ。
そして数日後、魔術の勉強がやってきた。
「王子、魔術には主に3種類が御座います。魔術、神聖法術、精霊術です。」
ふむ、神聖法術はリーザに聞いていたが他にも色々な術があるんだなぁ。
「魔術を使用するには特別な才能が必要です。それは特能と呼ばれる能力です。私は特能に地が御座いますので地属性の魔術が使用可能です。特能は数千人に一人の才能と言われております。」
ふむ、これはリーザから聞いたぞ。
特能って案外ハードルが高いんだなぁ。
「次に神聖法力と精霊術につきましては加護が必要となります。これは信仰で身についたり生まれつき持っていたりするものです。精霊と直接契約しても加護は取得できます。」
なるほど、これも何となく知ってはいた。
「各魔術ですが発動方法は同じです。術式を詠唱し魔法陣を形成すれば、魔力と引き換えに魔術が発動します。魔術師は魔導書、神聖法術師は聖書、精霊術師は水晶が必要となります。」
何だその非効率な魔法は……
直接マナを体内に取り込めばいいじゃんか!
『それをさらっと出来るのはアルデルシア様くらいです。大賢者と呼ばれる部類の方でも生涯をかけて到達できるか分からない程の境地です。』
御免なさい……大変失礼しました。
「陛下からは講義だけで良いと言われておりますので、私の講義は以上で終了とさせて頂きます。」
「有難う御座います。」
ウルガの講義が終わるとリーザが語りかけてきた。
『アルデルシア様が使用されている原始魔法はMPを大量に消費します。英雄譚に出て来た大賢者ですら最大MPは20,000程です。』
「うほぉ!雷鳴閃1発も撃てないじゃん!」
『そうです。アルデルシア様のMPは異常です。』
「口悪ぅ!」
相変わらずリーザはドSであった。
いつも有難う御座います。




