ヴィグス13
まだ続きます。
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僕は宿まで姫様を送ってから家へ帰った。
この世界に来て一番幸せな気分で家路についた。
「おんじい。さっきはごめんね。」
「ああ、仕方あるまい。ワシもあれから色々考えてのう。シェルハザードのアシェアラト姫様と復興の件を打診しておくとしよう。」
「ありがとう、おんじい。」
僕はその日、ぐっすり寝むれた。
次の日
「ヴィグスさん宛に手紙が来てるよ。」
「ありがとうございます。誰かな?」
僕は手紙を開封して読む。
『姫は預かった、シェルハザードの復興は諦めろ。
下手な詮索をするな姫の命は無いと思え。』
馬鹿な……
僕は手紙がただの悪戯であってくれと祈りながら姫が泊まっていた宿に走った。
「ここに泊まっていた青い髪の女性はどこ行きましたか?」
「出掛けるって言って、夜出て行ったっきりだよ。」
いないいないいないいないいないいないいないいない!
落ち着け……一体どこへ行くって言うんだ!
忍の力を駆使して捜索を開始するが町を出てからの足取りが全く分からない。
どれだけ探しても不審な人物の足跡は掴めなかった……
それから精霊の歌の皆にも手伝ってもらったが姫は見つからず、行方不明となってから1年が経過した。
僕は姫の事を思うと何をするにも身が入らず、ただただ無駄に時間を過ごしていた……
そんなある日、ヴェルコニア軍がグラール砦を攻め落としたと情報が入りフィルハザード軍から出兵の要請が何度も来たが、僕はどうでも良いとばかりに出兵要請を断り続けた。
だが、そんな僕を見かねたのか再度匿名の手紙が届く。
『ヴェルコニア軍をオアシスで足止めしろ。
バルナザードへは一歩も踏み入れさせるな。』
脅迫状であったが僕は内心ホットした。
姫はまだ生かされている。
それだけで生きる気力が湧いて来るようだった。
そして犯人はフィルハザード軍の関係者である事も確定した。
一筋の光が見えた僕はヴェルコニア軍を生かさず殺さず時間稼ぎをし、その間に姫を探し出そうと考えた。
そしてヴェルコニア軍がやって来る。
総勢100名
恐らく偵察部隊だ。
思いの外ヴェルコニア軍は強力であった為、偵察部隊相手に僕以外の4人は大いに苦戦した。
しかし相手は所詮ヒトだ、精霊王を倒した僕の敵ではない。
精霊騎士の能力や精霊神魔法を駆使することで軽くあしらい、こちらに殺意が無い事を伝へお帰り頂いた。
それから数時間後、次に現れたのは8名だった。
8人の中にはヴェルコニアの王子がおり、僕達バルナザードの民にとって魅力的な提案をして来た。
この国の援助を受ける事が出来ればシェルハザードの復国も夢じゃないと思える程であった。
しかし、姫が囚われている以上その提案にのる訳にはいかなかった……
そして交渉決裂の結果この王子と一騎打ちとなった。
ヴェルコニアの王子は今まで戦ったヒトの中で群を抜いて強かった。
僕はこの方を死なせたくなかったので最大減に手加減したエレメントブレイクで動きを止めた。
王族であれば水を供給し続ける事が可能と判断した結果だ。
これでヴェルコニアの戦力は大きく衰退して戦争どころでは無くなるはずだ。
そう…そのはずだった……
ヴェルコニアの王子が倒れたその時、王子に水を供給する魔術師が現れた。
「そこの水魔術師のヒト、すごいね。通常なら水魔術師10人で水の魔力を流さないと干からびてしまうところを一人で補うなんて……」
正直、目の前魔術師に強者の匂いが一切しなかった。
「おう、お前やるじゃねぇか。ここはひとまず引くしかねぇ、落とし前は必ずつける。」
「もう来ない事を祈るよ。その国一番の剣士はもう動けない。一生ね。君達に勝ち目はない。」
「首を洗っておけよ兄ちゃん。」
最初は偉そうに吠えるザコ、そんな印象だった。
このお方が、姫様以上の運命の方になるとはこの時全く考えていなかった。
あと1~2話で終わらせます。




