ヴィグス9
終幕へ向かいます。
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僕達精霊の歌がドラゴン討伐の後、城に呼ばれ女王陛下と謁見した時の事であった。
勲章を頂き、話しの流れから宴を行うはこびとなった。
しかし僕達が冒険者まがいの事をしているのは貧困問題が深刻なバルナザードへの援助がメインであり、名誉の為では無かった。
よって宴など贅沢の極みで罪悪感から出席を丁寧にお断りをした。
事情を説明したが家臣達からは女王陛下の好意をむげにするなど言語道断であるとバッシングを浴び、周囲からもヤジが飛び始めどうにもならなくなったその時……
「静まりなさい。」
そこには、水の精霊がヒトに生まれ変わったような美しい女性が立っていた。
謁見の間は一瞬して静まり返る。
女性はこちらへ近づくと跪き言った。
「家臣が無礼をはたらき大変失礼をいたしました。わたくしはこの国の第一王女アシェアラト・シェルハザードに御座います。わたくしは国が非常事態の為に女王陛下主催の宴を断ったあなた方の勇気ある行動に感銘を受けました。」
姫様は立ち上がり家臣達へ向いた。
「見なさい!これが打算の無い真の英雄の姿です!誰かに褒められる為、名誉の為の行動ではなく心からヒトを救う為の行動!これこそが真の英雄ではないでしょうか!?わたくしは恥ずかしい!」
ヤジを飛ばしていた家臣達はうつむいた。
「英雄の皆様、大変失礼をいたしました。今後は我々から直接仕事の依頼をさせて頂きますので今後ともよろしくお願いいたします。」
これが姫様との出会いだった。
その後も姫様からの依頼があり、国民の手助けをした。
依頼をこなすと美しい笑顔でフランクに接してくれる姫様が眩しかった。
僕が姫様を好きになるのに時間は掛からなかった……
「明日、精霊の歌と地下に向かいます。陛下、よろしいですね?」
「妾が止めたところで聞かぬじゃろ……ヴィグス、頼んだぞ。」
「命に代えても……」
僕は姫を守ることを陛下に誓い宿へと戻った。
その夜、僕達は完全に熟睡していた……
すると各地から絶叫にも似た叫び声が聞こえてきた。
「し、城が!城が燃えているぞ!!」
「逃げろぉおおおお!火の精霊の暴走だ!」
「火蜥蜴が大量発生している!逃げろぉ……うわぁあ!」
「エヌー!ダッカ!プルム!ユクル!起きてるか!
城にいくぞ!」
激しい業火の中、僕達は城へ向かった!
「ここに移されておったか……これで300年前の溜飲を一つ下げる事ができるわい。」
城下街が混乱する中、一人の老人の呟きは誰の耳にも届かなかった……
いつも有難う御座います。




