ヴィグス8
続きますよー!
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僕が約束の場所へ行くと精霊の歌は全員揃っていた。
「お待たせ、行こうか。」
シェルハザードへは歩いて2日程かかるが準備は万端だ。
そして何事もなくシェルハザードに到着した。
「宿をとって明日の昼にでも行こうか。」
「ぼくは一気に遺跡へ突撃したほうが良いと思うぞ!」
「アンタ、全く学習しないわね。コンディションを整えないと力が出ないわよ。いつドラゴンに襲われるか分からないし。」
「ぐぬぬ!」
「僕もパパから仕入れや売り物を頼まれているから。」
「決定だな。」
ユクル以外は意見がまとまった。
「ヴィグス!買い物いきましょうよ!」
「いや。僕は明日の事があるから休みたいな。」
「…………つまんない奴……」
「ぼくは空いているぞ!プルム一緒に行こうか。」
「アホは空気も読めないのね。」
「はっはっは。ぼくは甘い物が食べたい!行こう!」
「イヤァアア!太るぅうう!」
プルムは全くヒトの話しを聞いていないユクルに引きずられていった。
「さて、僕は城に行くか……」
シェルハザード城
僕は謁見の間にいた。
この国は建国からトップは代々女王が勤めており、歴代女王の肖像画を見る限り皆が美しい。
遺伝子操作でもしてるのかな?
話しはそれたが表向きは明日の打合せに来ていた。
「恐らく地下に封印されておるのが炎の精霊王じゃ。こやつの封印を解き放たねば水の精霊がこの地に戻って来ることも無いであろう。」
「そうですね。相手が炎の精霊王では分が悪い。」
「ドラゴンスレイヤーのお主でもそう思うか。」
僕は女王陛下と直接やりとりをしていた。
なぜ僕のような平民が女王陛下とお話しが出来るかと言うと、たまたま行った古代の塔でドラゴンを解き放ってしまった後、シェルハザード城付近でトドメをさしたのだ。
それを見た国民と騎士達が国を守った英雄として僕達を讃えたのだ。
勘違いだと伝えたのだが誰も信じてくれず僕達はこの国の英雄になってしまった。
これはユクルのトラブルが好転した数少ない例だ。
「水の精霊を自在に操れる術師がいれば何とかなりますが……」
「むぅ。出来るとすれば今話題の慈愛の女神くらいかのう……国交の関係上、応援は厳しいな。」
「封印を解く事は可能だと思います。その後の対応が一番の問題です。解決方法が見つかるまで、しばらく見送りましょう。」
「わたくしでは駄目でしょうか?」
「アシェアラト……」
「姫!」
「わたくしの特能に水の恵みが御座います。わたくしが精霊王を抑えているうちに……」
「それはなりません!姫はこの国の希望。姫がおらねば飲み水の確保ですら出来ません!」
突然の敬語にビックリした?
僕は体育会系だからね。
目上の人にはトコトン敬語だよ。
「そうじゃのう……」
「しかし!このままではいずれ水はおろか国が干からびるでしょう!すでにバルナザードの貧困問題は限界です!」
さすがは僕の大好きな姫様だ。
良く国の現状を理解しておられる。
そう、僕がここに来た最大の理由は
【恵みの姫】アシェアラトに会いたかったからだ。
水色の髪と瞳、そして透き通る様な白い肌。
僕はこの姫様に心底惚れていた。
いつもご愛読、ありがとうございます。




