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プロローグ

お久しぶりです。長いこと休載していて申し訳ありません。中々小説を投稿しようと気力が沸かずに暫く沈んでいましたorz


以前投稿していた小説を読み直して色々とリメイクしてから、また再スタートを切ろうと思います。


以前からブックマークして頂いた皆様も、これから新規にこの小説を読んで下さる皆様も、これからよろしくお願いいたします。



俺の名前は川端士道。日本に住んでいる、陸上自衛隊員の端くれだ。階級は3曹であり、今は10式戦車の操縦士をやっている。

年齢は今年でめでたく25歳となった。因みに俺の生きている時代は2025年、すなわちミレニアム産まれである。



元々は高校卒業後に就職先が決まらず実家で暮らしながらアルバイトをしていたのだが、高校時代に仲の良かった元自衛隊員の部活の講師に「就職決まらないなら、自衛隊に入隊したらどうだ?」と言われて興味本意で地元の地本に話を聞きに行ってから、特にやりたい事なんて無かった俺は流れる様に入隊したのだ。



学生時代からかなりのミリタリーマニアで、戦車が一番好きなカテゴリーだった俺は、3ヶ月の教育期間を経て希望職種の適正検査を受けたのだが、幸いな事に第一希望であった機甲科へと配属が決まったのだった。配属後の陸士時代は俺の戦車内での役割は74式戦車の装填手から始まったが、後に昇進試験を受けて今の3曹のポジションとなった。



3曹に昇進して暫くの間は74式の操縦士についてはいたが、既に旧式の戦車となっていた74式を入れ換える為に10式が配備された為、俺の乗機も10式となった。俺が10式に乗り換える前から数両の10式が配備され、言うならばハイ&ローミックスの様な編成だった部隊も今では、ほぼ10式への更新を済ませている。




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「お疲れ様でした!」



今日も訓練終了後の挨拶を交わし、戦車を格納庫へと戻してから夕飯をとり、風呂を済ませてから部屋で自由時間を過ごす。課業後の過ごし方は人それぞれだ。ランニングをしたりして体力アップに励む隊員もいれば、寮の部屋で読者をしたりなどの趣味に走る隊員もいる。



俺は模型製作が趣味であり、今現在は最近、間宮模型から発売されたスウェーデンの戦車である、strv-103の模型を製作している。新規の金型を起こした設計であり、実物には以外と複雑なパーツが付いているが、ディテールと作りやすさをバランスよく両立しているキットの為、キットの出来の良さに感心しながらサクサクと組み立てていった。



「よし、今日はここまでだな」



Sタンクは砲塔がない設計の為、そもそもの部品点数が少ない。なので作りやすさも相まって今日中に仮組みが完成した。塗装前のサーフェイサーも吹こうかとも思ったが、就寝時間が近いため今日はここまで。机の上に散乱してあるキットのランナーを箱に仕舞い、就寝するが実はいつもよりテンションが上がっている。



何故なら明日から代休と有給休暇を使い4連休を取得し教育隊時代のちょっとした旅行も兼ねて友人と再開するのだ。半年前から計画を立て、互いに休日出勤等をして代休を貯めて先月から外出許可の申請を出していたのだ。その友人は愛知県の部署に配属されているため、九州の駐屯地に配属されている俺は中々会えないでいたのだ。



そんな中消灯時間を過ぎたというのに中々寝付けないでいた。しかし、移動の大半でフェリーを使うとは言え、港までは車を運転しないといけないため夜更かしは禁物だ。俺は旅行計画や移動でルートを脳内でシュミレートしながら、流れに任せて眠りについた。




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「そいやお前、今日から外出だったな」



「はい。教育隊時代の友人に会いに行くんですよ」



午後、荷物を纏めている俺に声を掛けてきたのは相部屋の俺の上官であり、砲手を勤めている先輩だった。



「ま、愛知まで距離は長い。気ぃ付けて行けよ」



先輩に礼を言ってから寮を出て自分の車のトランクに荷物を積んでから運転席に乗り込みキーを回す。グオォン!と元気よくエンジンが回りギアを入れる。車の調子は好調だ。



俺は車を走らせ、守衛の人に挨拶をしてから車を走らせた。天気もよく、港に行く途中のガソリンスタンドで車も洗車して綺麗にした。エンジンの調子も快調で絶好の外出日和だ。そして愛知に着いてからは友人と再開して楽しい旅行となる……ハズだった。



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俺の愛車はトヨタの100系のマークllだ。しかし、俺と同世代くらいの若者が好む様な走りに振ったスポーツグレードであるツアラー系列のグレードではなく、爺さんが乗りそうなオートマ仕様のグランデGである。



というものの、この車は俺の祖父が俺が産まれた年に合わせて買った車であり、祖父は俺が自衛隊に入隊して直ぐに他界してしまい、祖父の他界後に残ったこの車は当初の予定では廃車にすると家族会で決定していた。



しかし、祖父が大切に維持してきた上、幼少期の思い出が詰まったこの車を廃車にはしたくないという気持ちが強かった俺は何とか自衛隊で自家用車を持てる時になるまで待ってもらい、祖父から受け継ぐ形となり今に至る。



25年前の車だが、元々祖父がオーナーだった時代からあまり走行距離が伸びてなかったとはいえ、そんな古さを感じさせないほど車はしっかりとした質感や走りをしている。祖父の形見である為か、メンテナンスには気を遣ってはいるものの、ライトの電球が切れるくらいのトラブルしか経験していない辺り、この時代の国産車の信頼性の高さが伺える。



駐屯地を出発してから暫く走ってからフェリーの停泊する港へと着いた。港の受付で車の積載手続きや部屋の案内をスタッフにして貰い、車をフェリーに積み込んでから予約していたシングルルームへと入った。



そして1時間ほど待ってからフェリーは出航した。出航後は船内を歩いて回り、備え付けのレストランで夕飯を食べた後に風呂を済ませてから眠りについた……。



◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️



フェリーが間もなく目的地につく主旨のアナウンスで目が覚めた俺は、部屋着から私服に着替えてから車両甲板に積んである車に荷物を積んでから乗り込んだ。船が港に接岸し、車両甲板のゲートから車を発進させてから港を後にする。



公道に出てから目的地の愛知県を目指す。船の停泊していたポートランドはまだ早朝ということもあってか車の数はそんなに多くはないが、港に近い事もあってか、大型トラックやトレーラーが多い。ポートランドらしい風景だと思いながら車を走らせていると、交差点の信号に捕まり停車した。



俺の車の前に止まっていた軽自動車の窓越しに小さな可愛らしい子供とその子供に抱っこされた犬がヒョコと俺を覗いてきた。人懐っこい子供なのか、笑顔で抱っこした犬と一緒に手を振っていた。俺もお返しに手を振ってあげてから癒されていると信号が変わり車を発進させた。



前の軽自動車も俺も交差点を左折し、車線変更をする為に俺は右車線に車を移動させた途端……




ブァァァァァ!!!!




凄まじい音量のクラクションと共に俺の車の後ろに信号無視で交差点に突っ込んできた大型トレーラーがミラーに映った!


しかもトレーラーは俺の車を避けようと咄嗟に左にハンドルを切り返し信号で前に止まっていた軽自動車目掛けて突進しついる。軽自動車のいる左車線は左折専用レーンであり、先の交差点で左折待ちの車が信号待ちをしており、長い列が出来ていた。



しかも最後尾に止まってる車は大型トラックであり、このまま軽自動車に減速しきれていないトレーラーが追突すれば軽自動車に乗っている親子は2台の大型車に挟み潰されの即死は確実だ。軽自動車の左隣は広い歩道となっており、幸い早朝の為人は居ない。



左にいる軽自動車に思いっきりぶつければ軽自動車を歩道側に弾き出してから乗っている親子を助けれると思った俺は、一か八か、目一杯ハンドルを切り込んで軽自動車に体当たりをした!



前を走っている軽自動車と500kg近い重量差のあるマークllの車体は簡単には軽自動車を弾き飛ばした。軽自動車は縁石を乗り上げてからプランターを突き破り歩道上で停車した。



しかし、左に切り込んで車が斜めになっているタイミングで後ろからトレーラーが猛スピードで突っ込んできた。追突されてから激しい衝撃が俺を襲う。トレーラーはブレーキを踏んではいるものの、止まる気配が無く、斜めの状態なら真横を向いた俺の車を押し続ける。そして俺の乗った車は遂に横転した。



「おいおい!嘘だろ!!?」



運転席側の窓が割れてアスファルトに頭を擦られない様に俺は体を必死に持ち上げる。しかし、それは全く意味のない抵抗だった。何故なら俺の乗った車はそのまま押されて前に停車していたトラックの車体に屋根からぶつかり、追突してきたトレーラーと挟まれる形となり、原型を留めなくなってしまったからだ。



誰が見ても即死。俺の体は完全に2台の大型車に挟まれて潰されてしまったのだ。



旧作のプロローグと主人公の異世界転生後の生活にギャップがありすぎた為、転生前の世界観は大幅に変えました。


旧作の読者の方々は違和感あるかも知れませんが、主人公の性格や異世界の世界観は変わりません。また、転生前のプロローグはかなり軽量化しております。

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