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Sky Seeker  作者: 刹那翼
第2章 全隊遠征編
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Long time no see

 時は少し戻り、場所も変わる。地上世界の戦いから、戦いのない地下世界へと移る。

「着いたぞ」

 瞬間移動によって、地下世界に来た三人の男達。地上よりは幾分か安全な場所だ。

「ありがとう。シオン、後でここで待ち合わせよう。すぐに、マグノリアを連れてくる」

 ユウがそう言うと、気怠そうに手のひらをブラブラさせて、ユウを追い払うようにシオンは言う。

「はー、とっとと行け行け。

 暇つぶしにでも、セナの世話でもしておくよ」

「……あぁ、頼む」

 真面目なセナと適当なシオンを二人にして良いのかと思いつつ、ユウは二人に背を向ける。

「セナは真面目だからつまんねぇなぁ。流石、第2隊。真面目すぎるんだよ」

「うるさいです、あなたが適当すぎるんです」

「なんだとお? 適当に生きてるぐらいがちょうどいいんだよ!」

 その会話を背に、ユウはマグノリアがいるであろう地下世界の唯一の建物、"ユグドラシル"に向かう。

 確か、マグノリアの個室は二階にあったはずだ。マグノリア・シッスルという文字を探す。

 見つけた。ドアを三回ノックする。

「マグノリア、いるか?」

 部屋の中からドタドタという音が聞こえる。そして、物凄いスピードでドアが開く。ドアに鼻が当たれば、鼻血だけで済まずに鼻骨が折れること間違いなしだろう。そんな勢いだった。そのドアの躍動に負けずとも劣らないほど、ピンク色のメッシュが入った白い髪が揺れた。

「やっぱり! ユウ! 久し振り!」

 懐かしい声がしたからだろうか。かれこれ半年振りくらいだろうか。スカイシーカーを一年ほど前に引退しているが、それ以来会う機会はめっきり減っていた。

「ああ、久し振り。元気そうで安心したよ。

 マグノリア、突然だけど、頼みがあるんだ」

「真剣な顔してどうしたの。

 仲間だもん。ユウの頼みなら何でも聞くよ」

 ユウはこの瞬間に、自分がハルによって地下に駆り出された理由がわかった。マグノリアに断られないため。地下へ戻る人数を最大限少なくするにはシオンが行けばいい話だ。しかし、そうしないのは断られる可能性があるから。ユウという昔のチームメイトだからこそ、頼めたことなのだ。

 そして、選んだ人物がマグノリアである理由も悟った。グランドクロスはどこか信用ならない。その中でも、最もスカイシーカーと親交が深いのはマグノリアだ。ある程度融通は効くだろう。ハルは頭がキレる奴だ。

「今スカイシーカーが遠征に行ってるんだけど、危ない状況なんだ。力を貸してはくれないか」

 地下世界にいる時間をできるだけ短くするべく、単刀直入に話す。

「なるほど。特殊なアルマの仕業か。今回の遠征を止めると思ったんだけどな……」

 マグノリアの反応にユウは違和感を感じた。

「そうなんだけど……グランドクロスでは新しいアルマの情報が出回ってるのか?」

 ユウは脳裏に浮かんだ疑問を率直に聞く。

「えぇ。被害報告が何件かあるわ。なぜ、グランドクロスは被害報告があるのに、遠征を容認して止めなかったのか。何か裏がありそうよね……」

 独り言のように、マグノリアは言葉を素早く羅列していく。

「……考えすぎじゃないか? この時期に遠征に行っておかないと、冬が来るからだろ」

 マグノリアはまだしかめ面をしているものの、少しユウの仮説に納得している様子だった。

「そうかもね。冬は地下水が凍って、水不足になるしね。地上の整備をせざるを得ないのかもね」

 その様子を見て、ユウは本題に戻す。

「来てくれるか、もう一度地上へ」

「勿論よ。あ、でも、ちょっと待ってね。着替えるから」

 唐突に、服を脱ぎ始める。ユウは何が起こっているかわからない、といった放心状態でその姿を眺めていた。鍛えられていて、くびれている腰の純白の曲線美が露わになり、女性の胸のふっくらとした曲線に入りかけたところで、ユウは我に帰る。罪悪感と恥ずかしさで急いで目を背ける。

「え、いや、仲間だからって目の前で着替えるな!」

「別にユウになら見られてもいいもの」

 マグノリアの言葉に見たい気持ちもそそられる。それはマグノリアより美しい女性も少ない。そして、男子だもの。だが、ユウの理性が勝つ。

「こっちが嫌だよ! 社会的に死ぬわ!」

「チラッとだけ見てもいいんだよ?」

「馬鹿!」

「じゃーん!」

「いや、こっち来るなよ!」

「いや、もう着替え終わったからだよ!」

 会話でしょんぼりしたマグノリアの姿を見ると、しっかりとシューターを装着している。普段からシューターを手入れしていたのだろう。整備していないと、シューターの装着は小一時間近くかかる。そして、何よりも服装が似合っている。魚が川で生きているのを見るように、違和感がなかった。

「……早。流石先輩」

「まあ、昔は毎日のように着てたからね。久し振りに着るけど、しっくり来るね。この隊服」

「懐かしんでる場合じゃない。行こう」

「そうね。でも、行く前に聞かせて。

 ユウはレンをどう思っているの?」

 ユウは数秒黙る。マグノリアは交換条件と言うのだろう。行く代わりに、その情報を教えろと。だが。

「……悪いが、ノーコメントだ」

 マグノリアはその答えを予期していたようで、ほんのり微笑んだ。

「だと思った」

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