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Sky Seeker  作者: 刹那翼
第2章 全隊遠征編
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最凶の敵

「さあ、皆。開城するぞ。位置につけ」

 全ての隊員が戦闘配置に着く。その表情からは絶望が微塵も感じられなかった。むしろ、戦うことができるという恍惚の表情にも見えた。

「スカイシーカー全隊長に告ぐ。我が人器の解放許可を要請する」

 カムイの大槌が輝き出す。その色はオレンジ色だった。そして、十三の光を灯す。レンもそれに合わせて人器を起動する。その光が狼煙となる。

「人類の未来のために、行くぞ!!!」

 カムイの掛け声にスカイシーカー全員が叫び声を轟かせる。戦いの火蓋は切って落とされた。

 レオが土でできた城を崩すと同時に、辺り一帯の森林をカムイとレンの人器の力が破壊する。ほとんどの木が薙ぎ倒され、周囲がいとも簡単に見渡せるようになった。

「敵の位置が丸わかりじゃねえか、行くぜ!」

 木々によって隠れていたアルマが十体ほど存在を現した。しかし、人間の容姿をしていないと言っても過言ではない風貌だった。ほとんど肉が削げ落ち、内臓のほとんどが可視化されていた。

「あいつら、ほとんど肉じゃねえ、骨だ」

 ほとんど骨のアルマ達は首元に装着しているネックレスに手をかざし、遠距離から炎や氷、雷など多彩な攻撃を仕掛けてくる。隊員達は必死に回避する。その中の数名はまともに食らってしまっていた。

「なんだ、あの攻撃は。人器じゃないよな?」

 レオの部下である、白髪のカイトがその攻撃に狼狽える。今までのアルマは自然の力で攻撃してきたことはない。鋭い爪での攻撃がほとんどだったからだ。

「あれがクリスさんを攻撃した技なのね」

 そのように分析したのはショウの右腕であるカグヤ。冷静な分析力を持ち、ショウを支える長い髪を後ろで束ねた女性だ。

「きっとそうだろうな。攻撃を避けつつ、詰め寄るんだ。遠距離では相手の思うツボだ。距離を詰めて、戦いを有利に進めろ!」

 その戦術を説いたのはユージン。第1隊の残ったメンバーは散らばり、隊長に変わって指揮を取っている。その的確な指示は戦士に勇気を与える。

「あれは何なんだ!?」

 童顔のニコが指差す草むらの中から白い欠片がゾロゾロと這い上がってくる。そして、人の形を象り始める。

「……あなたが首謀者だったのか、エドワルド隊長」

 まるでその能力を知っているかのように、ハルは呟く。エドワルド、その名前はレンは知らない人物だった。

「……ハル、あいつの能力を説明してくれ。俺も詳しくは知らない」

 カムイはエドワルドという人物を知っているようだった。しかし、隊長間でも共有されていない能力であることがわかる。とりあえず顔の半分が炎で燃やされたようにただれていることから、アルマ化した人物だとレンは判断する。

「エドワルド隊長。僕の前任の隊長。人器を用いて、その力を解放している。彼の能力はネクロマンス。死者の人骨、獣骨を操る能力。全ての思考はエドワルドさんが担う。あの人は僕の前に作戦隊長をしていた。だからこそ、頭が切れる。一筋縄じゃいかない」

 アルマの生態はまだ完全にはわかっていない。もし仮に生前の知能が残っていたら、ただでは済まないだろう。

「俺ァ、限界だ。どうせ、あの攻撃を受けたんだ。アルマになんてならねえよ。あのよくわかんねえ攻撃だろ。ハル、指示を早くくれ」

 攻撃をしたくて気持がはやるクリスがこの場を指揮するハルに話しかける。

「クリス、君って奴は全く。最前線でエドワルドさんと戦ってくれ。骨を粉々にすれば、思ったように操れなくなり攻撃力は落ちる。それが弱点だ。

 ジンさん、硬直させて彼を手伝ってくれ」

「犬っころ、出番だ。俺に犬どもの視覚を共有しろ。一体一体俺の能力で遠距離から撃ち抜く」

 クリスはそう言うや否や、人器に黒い光をほとばしらせ、無数の剣を生成する。クリスの能力は金属を自由に操る能力。シンプルイズベストというように、単純な能力ほど強い。

「わかった。視覚共有」

 ショウの能力は懐いた動物との感覚共有。視覚、聴覚、嗅覚、触覚、味覚の五感全てを共有することができる。それは他人にも共有することができ、スカイシーカーにも重宝されている。

「ハル、あいつを何としても殺すぞ。良いんだな?」

 ジンはハルに確認を入れる。エドワルドはジンとほぼ同時期に隊長になった人物であり、両親を亡くしたハルを我が息子のように可愛がっていたことを知っていた。それだけに気を利かせて放った言葉なのであろう。

「……良いさ。師匠だろうが、僕はこれ以上アルマになる仲間を見たくはない。……彼はもう死んでいるんだ」

 ハルは師匠を殺すことに躊躇をしている様子だった。表情も険しく、良心の呵責を感じつつ、それを押し殺していた。スカイシーカーの隊長として、スカイシーカーの参謀として。

「なら、眼帯を外すぞ。俺の瞳を見ろ。この目の中には、無制限の地獄ってもんがある。それを拝ませてやるよ。おい、レン。俺の目を見るなよ」

 ジンはそう言って、右目につけていた眼帯を外す。レンは言われた通りにその目を見ないようにした。何体かのアルマはジンの目を凝視する。そう、彼の能力こそが硬直。彼の赤く光る右目に凝視された刹那、妖艶な赤色に魅了され、石化する。その石化は彼が能力を収めるまで終わりはしない無限の地獄。

「さーて、今度は私の出番だね! 人器よ、我が願望に答えよ!」

 サーヤの腰にベルトのように巻かれている長縄が突然黄色い光を灯す。そのロープが変幻自在に動き出す。サーヤの思うがままに動かしている。彼女の能力は『拘束』。縄などの細長いものを自由に操り、敵を拘束できる能力を持つ。縄がアルマの骨に絡みつき、微動だにできないほど締め付けられている。

 これがスカイシーカーを代表する隊長の能力。その力は圧倒的で、不思議な力を使うアルマには反撃の余地も与えはしなかった。

サーヤ(No.42038)

年齢:20歳

身長:162cm

戦闘能力:6

行動力:9

優しさ:8

協調性:4(協調性自体は高いが、自己中心的)

頭脳:5

(10段階で評価)


エリア2出身。スカイシーカーの若き隊長の一人。根っからの気分屋で、第11隊の隊員は困惑することがしばしば。行動力の権化であり、隊長室にいることは少ない。それが理由で隊員のルイは彼女の仕事を代わりに受け持っている。人器の能力は拘束であるが、それは彼女の過去が深く影響しており、そういった趣味は毛頭ない。

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