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誘ったのは僕じゃない!

作者: 京久保崇

『誘ったのは僕じゃない!』


営業でほとんど出払っている会社で一人パソコンとにらめっこしていたある晴れた日

外から男が大声を出しているのが聞こえた。


『でも触ったり揉んだりしたのはあんたじゃないのよ!』


負けじと大声を出す声。

話だけだと痴漢のトラブルに思えたがしっくりこなかった。

相手の声があまりにも年老いた女のそれだったからだ。


『でもそっちの方から触れ触れとすり寄って

触ると身をくねらして悦びながらさらに胸をはだけてたんだぞ!

僕に全部罪があるような被害者ぶりはやめてくれ!』


身をくねらして悦んでとか

胸をはだけるとか

痴女かビッチにしか聞こえないし

昼間からそんな話はいかんだろうし

警察呼んだほうがいいだろうかと声がする方の窓からのぞいてみた。


そこには

男と老婆。

そして砂だらけになってコロコロと地に転がり真っ白になっていく黒猫がいた。


『この娘は触られると寝っ転がって砂まみれになって

せっかくの黒い毛が真っ白になるし落とすのが大変なのよ!』


そうして老婆がしゃがんで猫の砂を落とそうとすると

黒猫は逆にクネクネと地面にのたうっていく。


『ほら!落とそうとしても余計に砂まみれよ!』


その後ワイワイ言い合っていたが結局

砂まみれの黒猫を老婆が抱きかかえて家の中に入っていった。

男の方は微妙な顔をしていた。


終わる

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