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除夜の鐘
使ったお題は「除夜の鐘」です。
田守優子は私の親友。
優子がようやく駅に到着し、私達は目的地であるお寺に向かった。
「除夜の鐘って、どうして百八つか知ってる?」
ドヤ顔で訊く優子。私達は苦笑いをして顔を見合わせた。
「どうしてなの?」
私は笑いを我慢して尋ねた。優子はドヤ顔を保ったままで、
「野球の硬式ボールの縫い目が百八つあるからよ」
すると、
「優子さん、物知りなんですね」
私の彼の北野君が真顔で感心していた。
この人も痛い人なのを忘れていた。