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落ちこぼれ魔法師と異端の力  作者: 高巻 柚宇
第8章 脱魔王派編
390/428

にく14

 撤退の合図で一斉に戦闘行為をやめて郊外を目指し始めた革命軍たち。


 しかし戦いの被害が甚大だった脱魔王派の冒険者たちは怪我人を運び出すことがかなわず、多くの怪我人が残された状態で撤退をしなければならなかった。衛生兵の中には少しでも怪我人を運び出そうとする者もいたが、魔王の館付近から発射されたミサイルがすぐに彼らの戦意を喪失させる。


 罪悪感に苛まれながらも生き残りたいという生存本能に駆られて走り出す脱魔王派の冒険者たち。しかし彼らを逃がさないとばかりに街中の至る所から様々な兵器が姿を現し、逃げ惑う冒険者たちの撤退を阻む。


 ダクリアの二区の街は一瞬にして戦火に包まれ、次々と生まれる死体の山。


 中には慈悲を求めて魔王の館に白旗を上げに行く者もいたが、ブロードの兵器は容赦なく彼らの命を奪う。無慈悲なその世界はまさに地獄のような光景と言えた。


 もちろん兵器に対して魔法で立ち向かう者もいたが、実力者の少ない革命軍の中では兵器に立ち向かえる者はほとんどいなかった。


 それでも彼らは必死に生を求めて撤退を目指す。


 これはすでに戦いではなく、一方的な蹂躙だ。だが魔王軍側は蹂躙をやめる様子はない。ここで確実に脱魔王派という勢力を終わらせようという強い意志が感じられる。


 魔王軍側からすれば見逃したところで魔王に対する復讐心が増幅するだけなのだから、最初から殺してしまえばいいと考えている。現に死にゆくその時まで彼らの瞳は魔王軍に対する憎悪で包まれており、彼らに慈悲をかける意味はなかった。


 圧倒的な戦力差は時に残酷な結果を生む。


 それがこの世界の不条理であった。


 この日、革命軍は甚大な被害を被った。


 この戦いは後に「血染まり地獄の二区」と呼ばれることになるが、当事者たちからすれば血に染まっているというよりは劫火に焼かれた街だろうと主張したいだろう。


 けれども死人に口なし。彼らが主張することは叶わない。


 革命軍と名乗っていた脱魔王派の冒険者たちの多くはダクリア二区で命を失った。生き残ったのは百名程度という観測が魔王側から発表されるのだが詳細は定かではない。


 詳細が定かにならないほど激しい戦いが繰り広げられたというのが魔王軍側の主張である。




  死者   多数

 行方不明者 多数

  生存者  不明




 また革命軍を指揮していた総司令官とその他の実力者も合わせて死亡が発表された。しかし彼らが死亡したのはダクリア二区ではなく、ダクリア七区付近。


 こうしてダクリア史に残る内戦は魔王軍側の完全勝利で幕を閉じるのであった。

ここまで読んでいただきたいありがとうございます。これにて8章 脱魔王派編は終わりとなります。


 ところで読者様に質問なのですが、次に番外編挟んだら怒りますか? 早く9章 革命軍編に入れと思いますか? 

 率直な意見を聞かせてもらえたら嬉しいです。番外編のタイトルは『番外編 光と闇の邂逅』になる予定です。


次の方針が決まるまでは新作『女神様は引きこもりたい!』を描きたいと思います。なんか新しい物を書くのって楽しい

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