第300話 キリスナ=セイヤ
説明的要素が強いです。というより説明です。
キリスナ=セイヤ
その名前はレイリア王国で最近有名になった名前だが、同時にその名前を聞いた者たちはある疑問を抱く。それはキリスナとセイヤのどちらが一族名なのか。
レイリア王国だけでなく、この世界では基本的に一族名は後ろに来る。そうなるとセイヤが一族名になるのだが、誰もが違うと直感的に理解した。
それはまだキリスナの方が一族名に近いから。だが仮にキリスナが一族名だったとして、そんな一族が存在しないのもまた事実。レイリア王国にキリスナと名の付く一族は存在しないのだ。
ならキリスナーセイヤとは一体何なのか。そもそも人名なのか。
その答えを知るにはレイリア王国とダクリア帝国という二つの国を理解し、そしてノアという存在を知らなければならない。つまりいくらレイリアの人間がその名の本当の意味にたどり着こうとしても、決してたどり着くことができないのだ。
モルガーナ率いるアーサーたちだけがその名前の真の意味を知ることができた。
では答え合わせといこう。キリスナ=セイヤという名前の意味を。
まずセイヤ。それは簡単だ。聖夜。つまり聖属性と夜属性のことである。
レイリアの王国を統べる七賢人たち聖教会のトップである女神が持つ力。聖属性はレイリアの頂点に立つ存在の象徴的な力である。
一方のダクリアは魔王たちがそれぞれの自治区を統べ、その魔王たちを従えるのが大魔王ルシファー。夜属性はダクリアに頂点に君臨する大魔王ルシファーの象徴的な力である。
つまり聖属性と夜属性の二つを持つ、名実ともにこの世界の頂点に立つことのできる存在こそが『聖夜の帝王』なのだ。
次にキリスナだが、これは一族名ではない。ただセイヤの両親であるキース=ルシファーとリーナ=マリアの名前をとっただけにすぎない。
しかし元来名前には意味があり、その意味に応じて加護が宿ると信じられている。それはレイリアとダクリアの両国を見てもわかることだ。
女神マリア、聖騎士アーサー、または特級魔法師の持つ異名や十三使徒の序列は所属を表すだけでなく、その名前を引き継ぐことでその加護を得ているのだ。それはダクリアも同様であり、大魔王ルシファーをはじめとし、魔王たちがそれぞれ襲名する名前にも意味がある。
つまりただの名前ではない。
キリスナという名前は父親のキース、母親のリーナの加護を受けることのできる名前なのだ。
キースとリーナを縦に並て合わせると
リーナ
キース
―――――――――
キリスナ
つまりそういうことである。
この世界のトップに君臨する聖夜の帝王
そして二十年前に両国のトップにいた二人の名前を宿すキリスナ
キリスナ=セイヤ改め、聖夜の帝王キリスナはノアの創った偽りの世界を破壊し、新世界の神となることを願われてつけられた名前なのだ。
これこそがキリスナ=セイヤという名前の真の意味である。
実はこの作品の初期のタイトルが「異端魔法師のキリスナ」でした。それがとある読者様にもっとタイトルで釣った方がいいと指摘され「落ちこぼれ魔法師が異端の力を手に入れて世界最強になっちゃった」の流行に乗ってみたものの、今度は最強じゃないじゃんという指摘を受けて現在のタイトルになりました。
今考えると初期のタイトルで思いっきりネタバレしているのでは......と思いました。




