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1話 異世界に軍人は動じない

 ………ん?此処は何処だ?俺は確実に死んだ筈なんだが……。ああ、天国か?いや、ありえねーな。俺は人を殺し過ぎてる。絶対地獄行きだ。それにここはどうやら現実みたいだしな。


 今見えるのは異様に豪華な天井。金の装飾などで飾られてあり、物凄いシャンデリアとかがぶら下がっている。室内だな。しかもかなり豪華だ。


  とりあえず起き上がるか──あれ?体が動かない。なんでだ?それになんか頭もグラつくし、自分の体が見えない。

明らかにおかしい。


 俺は他人より脳の回転が早く、それを使い戦場で最善の選択をすることで生き残ってきた。だから状況の把握などは得意なのだが……流石に今のこの状況は訳がわからない。

 ん?誰か部屋に入って来たのか?ドアの開く音がした。


「─────!」


 美しい金髪の女性がこちらを見下ろしてきた。なんだこの人は!素晴らしい美貌だ!

 ……いや、俺には妻が居るし……。

 そうじゃない。今のは何語だ?おかしい。俺の知っている言語じゃなかった。どういう事だ?


 とりあえず今の状況を整理しよう。

1 俺は死んだはずだが生きている。

2 何処かの部屋に居て、かなり豪華。

3 体が動かない。

4 スーパー美人さんが目の前でニコニコしてる。

5 美人さんの話した言葉が聞いたことがない。


 まず1。もしかして俺は死んでいないのか?だとしたら3は痺れ薬でも飲まされたとして説明がつく。いや、でも確実に頭を撃ち抜かれたよな……

 2は、監禁場所にしては豪華だ。

  4と5に至っては全く予想がつかない。


 おもむろに美人さんが俺に手を伸ばしてきた。

 うおっ!?何するんだ!?

 ……え!?俺を持ち上げ…………はぁ?


 そこで俺は理解した。いや、理解出来ているのだろうか。


  俺は赤ちゃんになっていた。

 美人さんに抱き抱えられ、体が見えてやっと分かった。

 どうやら人間は本当に驚いたら逆に冷静になるらしい。だって俺今すげー冷静だもん。


 前にマンガとかでこんなの見たぞ………

 もしかして、転生しちゃったんですか?俺。


 それから1ヶ月後、俺は普通に赤ちゃんとして生活していた。だってしょうがないだろう、他にやれることとかないし。今赤ちゃんだから、俺。

 流石に1ヶ月もあると色々分かった。

 まあ分かったと言っても俺がやったのはなんとか言語を覚える事くらいだけどね。

 文法さえ分かれば後は単語を解読するだけ。楽勝だった。

  どうやらあの金髪美人さんはおれのお母様らしい。普段はメイドさんがお世話をしてくれるがたまにやって来て俺をだっこしてニコニコしてる。別に俺を抱っこしてるからじゃなくて、いつもニコニコしてるらしい。


 お父様にも1回会った。見た第一印象は怖っ!?だった。なんか顔にでっかい傷とかあるの。んでムキムキね。服着ててもすぐ分かるくらい。

 うわー、やべぇなこれ……とか思ったら次の瞬間デレーッてすげー笑顔!あまりの変貌っぷりに笑っちまったんだよ。そしたら更にデレデレしてんの!

 あれだね、あの人絶対親バカだね。

 秘書みたいな人に時間ですとか言われて無理やり連れていかれたけど。凄い抵抗してたね。でもお母様の「見苦しいですわよ?」の一言で黙った。

 目が笑ってなかったからね。お母様。正直怖かったよ。


  で、本題。どうやら俺は貴族の子供らしい。しかもかなり上の地位の。

 俺の名前はリテラって言うらしい。そう呼ばれるもん。

 あと、次男らしいの。お兄ちゃん居るんだって。まだ会ってないけどね。

 ちなみにお父様の名前はラディウス、お母様はリルラムらしい。家名は知らない。


 そしてこの世界どうやら住んでるの人間だけじゃないみたい。

 前の世界の物語とかで出てくるような種族がいるの。なんかかわいいエルフの子がお母様と一緒に来たこととかある。

 正直そんなに驚かなかった。だって転生とかしてるんだらもう対して気にしねぇよ。

 あと、俺がいるこの世界の名前はアスティアルと呼ばれているらしい、かなり広大な世界らしい。

 お母様が絵本を読んでくれた。

  そして今住んでいるのはアスティアルの中でも屈指の大国トロハという所らしい。

 なんでも、戦王と呼ばれる政治もでき、戦闘でも無類の強さを誇る人が小国だったトロハをたった10年で世界で五指に入る強国に育て上げたらしい。

 そんな凄い化け物が居るとは恐ろしい。一体どんなジジイだろうか。

 てかこんなガキにする話じゃない。


 その後何事も無く3年の月日が流れた。たまにお父様がやって来るのだが、その度に子煩悩を炸裂させてくれた。楽しい人だ。

 俺は言葉も普通に喋れる様になり、最近は筋トレをしている。もちろんケガしない範囲で。

 軍人として体は鍛えていたいし、やる事が無いので結構な時間を筋トレに費やしている。


  その2つの事実は隠してある。

  当たり前だろう?齢3歳にしてペラペラ喋れてまあ全然まともには出来てないが筋トレみたいな事もしてるなんて有り得ないだろ。

 当分やる事も無さそうだしあと数年はゆっくり行くか……


 そして5歳の誕生日。その日から俺の日常が変わり始めた。


「誕生日おめでとうリテラ」

「ありがとうございますお父様」

「ほんと早いわねぇ、うふふ…」

「出来もいいもんね、俺と違って」


 この人は兄のシュラタ。12とけっこう年齢は離れているが、気さくで俺に構ってくれて、イイ人だ。


「お兄様も充分出来はいいでしょ?」

「その通りだ。剣技もなかなかになってきたしな」

「お父様のご指導のお陰です」

「いやいや、お前の飲み込みが早いからだ……。

 リテラ、お前も明日から剣技の修行を始める」

「あらあら……まだ早いんじゃありません?」

「そうですよお父様。5歳ですよ?」

「リテラからは何か、才能のようなものを感じるのだ。持っている者独特の雰囲気がある」

「俺にですか?」


 お父様は今でこそ貴族にまで上り詰めたが、元々は王国騎士団に所属しており、かなりの実力の騎士だったらしい。

 そのためか、他の傲慢な貴族とは違い厳格な貴族を好む。

  息子もそうなるようにするのが教育方針らしく、その1つとして本人自ら剣技を教えるのだ。


「ああ。言葉もすぐに喋れるようになり、筋トレもしているのだろう?」


 そう、俺はもう隠すこと無く筋トレをしていた。実を言うと一度お母様にバレてしまったのだ。するとお母様、リテラは天才なのね、のひと言で済ませたから、隠すのがバカバカしくなってしまったのだ。

 お父様は国王に気に入られているらしく、忙しいのであまり家に居ない。

 だが、たまに帰ってくると自分の趣味などもあるだろうに、全て放り出して俺の近況などを聞いてくる。

 嬉しい事には嬉しいのだが、最近はめんどくさくなってきた。リアクションが激しいから。


「精神を鍛える為です」

「5歳のセリフじゃないな」

「かっこいいですよ、リテラ……」

「という訳だ。

 だが流石にいきなり私と打ち合いなどとは言わん。最初は素振りをしてフォームから学びなさい」

「分かりました」


 かくして、俺の修行の日々が始まった。まあ筋トレしてたしそんなにキツくはない──と言いたかったがめちゃくちゃキツい。お父様恐ろしいスパルタ教官でしたよ、ええ。

 朝の6時から8時まで走り込み、朝食、9時から夕方6時までずっと素振り……流石の俺でもかなりキツい。


「お、終った……」

「まずはこれを1年間続ける事だ。年を重ねるごとにキツくしていくから覚悟しておけ。

 そして10歳になったら学校に行かせる」

「が、学校…ですか?」

「うむ。この王国には4つの学校がある。

 騎士学校、魔法学校、技術学校、賢学学校だ。

  兄は魔法学校に通っている。あいつは魔法適性が多かったからな。

 だがお前は魔法適性が無い。なので騎士学校に行ってもらう」

「…分かりました。でも、まずは5年間頑張りたいと思います」

「うむ、先の事よりもきちんと足元を見て歩いていけ。運命に打ち勝つ者は皆それを忘れない。大きな事も小さな事からだ」

「素晴らしいお言葉有難うございます」


 とりあえず今の目標は決まったな。5年間体を鍛えぬき、騎士学校に入学する。具体的な目標があればそこに行くまでの道も見つけやすい。

 さあ、また明日も頑張ろう。

作者が文章力無いので2日、3日に1話ずつのスローペースになると思いますが頑張りますのでよろしくおねがいします

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