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 先ほどまでの話は、課長・棟長のみの秘密事項にして欲しいとも言われた。これでは同期の職員(異動でだいぶ減ってしまったが)に相談することも出来ない。

 そんな厄介極まり無い出来事。

 一般職から主任を通り越して。施設内の棟長にならないか、登用試験を受けてみないか、と言うものだった。

 正直に言って、越谷にそこまでの考えは無かった。今のまま、毎日を勤務するのが精一杯だったからだ。

 さらに。もし引き受けたとすれば、今まで以上の重責が双肩にかかる。課長が言っていたこともまあ分かる。表向きで見れば、華々しい出世、と言うものだろう。だが越谷は、課長以上に理事長が苦手だった。売れない本を何冊も書き、職員に、

『特別価格』

という触れ込みで、無理やりに買わせている態度が、何とも鼻持ちならない。自己顕示欲が強い相手は、病気を患っている越谷が、もっとも避けたい人物像の1つだったからだ。そんな人物に評価・期待されているとしても、何ら感慨が湧かない。そんなことを考える自分に対して、越谷は自嘲的な笑いを浮かべた。

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