表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/7

 ただ救いなのは、元気に育ってくれている娘のことと、暖かく接してくれる妻の存在がとても大きなものだと言うこと。独身だったら、病気の辛さでとっくの昔に自殺していただろう。それを踏みとどめてくれている存在は、何にも変えられないものだった。本当の意味で、

『生命の恩人』

である。結婚前にはまるで考えられないことだった。妻と娘のことを考えると、

『何があっても生き延びなければ』

と思う。

 一服しながら、ジャージのポケットからケータイを取り出した。娘と妻の写真が待ち受け画面だ。苦しい時・辛い時。これを見て自らを奮い立たせているのだった。ついでに時間も確認する。12:29。そろそろ行かないとマズい。

 タバコをもみ消し、『ヤニ部屋』を出る。何が降りかかるのか想像も出来ないまま、管理棟の階段を上がる。ちょっとだけためらって、課長室のドアをノックした。

「どうぞ」

「D棟の越谷です」

「あ。入ってください」

「失礼します」

 心臓がばくばくし始めた。どんなことを言われるのやら。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ