第1話
初心者ですががんばります。
俺こと高倉 渡は、空中に浮いていた。
正確には、高倉 渡だった魂が浮いていた。
どうやら俺は死んだらしい。
死因は病死だった。
まぁ、病弱だったのもあってそろそろかなとは思っていたが。
あぁ、古き良き悪友が「おまえ何で逝ってるんだよ!」と言いながら俺の死体たたいているんだろうなぁ。
注)実際叩かれていました。
「次のかたーどうぞー」
天使が声をかけてきた。
そうだここは天国・・・ではない。ここは死んだ魂がかならず通る場所。
いわゆる魂の裁判所。
ここで閻魔によって裁かれるのだ。
右手に天使、左手に悪魔が浮き彫りにされている両開きの門をくぐる。
ここを突破すれば天国は目の前だ!もっとも地獄か目の前かもしれないが・・・
「長かった・・・」
つい口に漏らす。もっとも口はないが・・・
それもそのはず、なんとここまで来るのに30年も並んだのである。
しかも自分の前の人で3年間も裁判をしていたのである。
並んだ当初は、地獄に落とされるのではないかとびくびくしていたのだが30年も待つとそれはなくなった。
裁判は順調に進んだ。
多少悪友とのいたずらが目立ったが許容範囲内だった。
「いいでしょうB級転生を認めます。」
「あの・・・B級転生とはなんでしょうか。」
曰くB級転生とは、階級の一種でA級なら記憶ありでの転生、B級なら記憶なしで知的生命体への転生、C級なら記憶なしでそのほかの動物、D級なら記憶なしで植物、E級なら記憶なしで単細胞生物や菌類になり、それ以下になると地獄行きだという。
いいことはするもんだな。俺はそう思った。
「いってらっしゃい!それでは新しい人生を!!」
そう言われ俺は、天国の門をめざすため裁判所を後にした。
「それにしてもだれもいねー。」
しばらく行くと5つに道が分かれていた。
そこには、何百種類もの言葉で書かれている看板があった。
しかし残念なことに日本語はなく、かわりに教科書で見た象形文字が書いてあった。
当然読めるはずもなく迷っていると上から天使が飛んできた。
「すみませ~ん。なにしろ3年間誰も通らなかったものですから…」
「えーと、どの世界からのと閻魔証をお願いします。・・・・・・・・はい。ありがとうございます。B級の方ですね。すみませんが日本語表記はありませんのでこちらの道を看板のあるほうに進んでください。」
そういって左から2番目の道を指された。
「ありがとうございます。」
「いえいえこちらこそ。ではよい人生を。」
ひたすら進んでいた。
裁判所を過ぎてはや3日、魂なので疲れこそないものの精神的につらい。もちろん30年待つよりは相当ましだが。
天使に言われた通り、ところどころに立札がありその通りに進んでいた。
5日目、建物が見えてきた。見た目からして天国の門ではないとわかったときはがっくりきた。
6日目、建物についた。検問所かなと思ったら誰もいなかった。
中で道が2つに分かれていた。
右は幅が広く大きい道、左は幅が150センチくらいしかないが上に看板があった。
渡は少し迷ったが天使に看板のあるほうに行くよう言われているため左に進んだ。
左の通路に入った途端白い光に包まれた。
実は看板にはこう書いてあったのだ**神界につき関係者以外立入厳禁**と。
そんなことを露ほども知らず渡の魂は、白い光に包まれて神界へと飛ばされた。