表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
冷血先生!  作者: 茉由
3/7

授業中はお静かに

 馨が教室に戻ったときにはすでに、亜守華は授業を始めていた。


卓は教室の後の隅っこで授業風景を眺めている。


 生徒達は黙って聞いていた。


口出しするものはいない。


 馨は誰にも気づかれない様に、こっそり自分の席へと座った。


 すると、後の席の尋が馨に気が付き、声をかけた。


 「あんれー?


何処行ってたのさ?」


尋は亜守華に気づかれない様に小さな声で話しかけたつもりだろうが、結構大きい声で話しかけたため、一瞬周りの皆が二人の方をむく。


亜守華も二人を見たが、興味がないのか授業を続ける。


「まあ色々とな」


馨は適当に誤魔化した。


尋に言うとからかわれるし面倒くさい。


「うんこ?」


「ちげーよ!」


結局面倒くさいことになってしまったが。


「俺さっき出た」


「しらねぇよ!」


「便器についてなかった?」


「もっとしらねぇ!」


 「授業中に話されるのはどうでもいいのだけれど……。


私、汚い話しは嫌いなの」


反感を買っている亜守華だが、このときだけは女子達が見方についた。


クラスの女子達が二人を睨んでいて、威圧感がはんぱない。


「そうね、貴方達には雑用をたのみましょう」


「貴方達って、俺も!?」


「やだよお~」


 結局馨は巻き込まれてしまう形となってしまった。

 

 亜守華は、二人に放課後職員室へ来るように指示をした。


 授業が終わった。


尋は部活が終わってから行くと言うので、馨は校内をぶらぶらして時間をつぶしてから職員室へ行く事にした。


窓から野球部が教室へと帰っているのが見えたので、そろそろ尋も職員室へ着いているだろうと思い職員室へと向かった。


 尋はいなかった。


忘れているのだ。


 「栄本君は?」


「用事があっるって……」


(あいつぜってー許さねぇ……)


さすがに忘れて帰ってしまったと言える度胸は、馨には持ち合わせていなかった。


ほんとうのことを言ってやろうかと思ったが、正直に話せばまたとばっちりをくらいそうなのでやめた。


 「まあいいわ」


亜守華が馨にメモと地図を渡した。


それと『カード』も。


メモには店の名前と、そこで売ってるものらしき文字が書かれている。


「これは?」


「買ってきて頂戴」


「え!?


雑用ってこれ!?」


「そうよ?


届けるのは明日でいいわ」


 それだけ言い残して、職員室を出て行った。


「マジかよ……」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ