冷血先生!
はじめまして☀
茉由です。
この小説は「小説カキコ」で書いた小説を少し訂正してから載せています。
春。
北加美高校の生徒たちにとっても、新しい学年になる季節である。
北加美高校、略して北高は結構有名な高校だ。
良い意味でとは言えないが。
新しいクラスになって、皆楽しそうに会話をしている。
その声はチャイムの音によって静めらることはなかった。
3年2組のクラスは他のクラス以上に盛り上がっていた。
新しい教師が来るからだ。
しかも自分達のクラス。
すごく美人だという噂も立っていたことにより、2組の男子はお祭状態だ。
ガラガラと扉が開いた。
どんな人だ、とみんな息をのむ。
「はーい。
皆席に着いてー」
「って教頭かよ!」
クラスの男子の一人、斎藤 馨がつっこみを入れる。
教頭は困った顔をしながらも、出席をとり始めた。
「教頭、新しい先生は?」
馨が聞くと、教頭はまた困った顔をした。
苦笑いをしながらも口を開いた。
「遅刻だよ遅刻。
ほんと、困った人だ」
教頭は笑っているが、目がかなり死んでいる。
結構温和な人なのだが。
彼にとって苦手な存在なのかもしれない。
突然ドアが開いた。
入って来たのは背の高い女性。
長い髪が印象的な美人だ。
一緒に、黒いスーツを着た小柄な男が付いている。
男の方は謝るように何度も礼をしながら入って来る。
それに比べ、女は何事も無かったかのように、堂々と教卓の前まで歩いていく。
教卓に着くと一度だけ礼をしてから口を開いた。
「私は自分の力で教師になってません。親の権力です」
声を発するものは誰もいなかった。
さすがの馨も担任の発言にちゃちゃをいれない。
というよりいれられない。
威圧感が強すぎる。
担任は東篠 亜守華と名乗った。
亜守華は自己紹介が終わるとそのまま授業を開始した。
授業が終わった。
亜守華が出たとたんに、皆いっせいに騒ぎ出した。
「あれはないよな」
「綺麗だからって調子のってんじゃねぇか?」
皆口々に亜守華の悪口を繰り出す。
もちろん廊下にいる亜守華にも聞こえていた。
「やっぱりはじめの自己紹介はちょっと……」
小柄な男が言う。
彼は亜守華の世話係の黒崎 卓。
いつ何時も世話係の仕事は続いている。
「じゃあ嘘をつけば良かったかしら?
『私は子供達に夢を与えられる仕事がしたかったので、教師になりました!
皆に夢と希望を与えられるように頑張ります!』
とか言ったほうが良かった?」
「まあその方が……」
「あら。
私に口答えするつもり?」
「いっ、いえ!
そのようなつもりではっ……!」
それならよろしい、と言うように卓にうなずいてから笑顔を向ける。
二人は職員室へと帰って行った。
ありがとうございました(^^♪
一応見直しましたが、誤字・脱字があれば
連絡くれると嬉しいです_(_^_)_