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実は好きなんだ
「そっか…嫌なこと思い出させちゃってごめんね」
「良いですよ、別に。」
少女は微笑む。
充電器を差しながら問いかける。
「連絡取ってた人とかはいるの?急に音信不通になって心配するんじゃない?」
「居ないんで大丈夫ですよ。」
少女は何故か少し笑っていた。
「実は…好きなんだ、アサリ」
「お兄さんも?」
「うん。見るのも、食べるのも好きなんだ」
「ふーん…なんか、意外。」
「でもね、好きな理由は君と違う。アサリの貝殻って、似ているようで模様が一つ一つ違うでしょ?」
「それがどうしたんですか?」
「同じものは一つもない。その模様は、それまでアサリが生きてきた証だ」
「…」
少女は目を伏せる。
「えっと…何か言っちゃいけないこと言ったかな…!?なんか、ごめんね…」
「だから、謝ったらだめじゃないですか」
少女はそう言い、微笑んだ。
「ご馳走様です。ゲームセンター、行きますか?」
…今、22時だが…!?




