残業とタマゴ厳選
躊躇った。たしかにこの少女は可愛い。可愛いが…それよりも恐ろしい気がした。
「お客様、そのようなご要望は…」
「はぁ、つかえねー」
少女の視線は怖い。なんというか、圧がある。
「かしこまりました…ですが、まだ仕事が残っているため…」
「じゃ、店の外で待ってるから。」
少女は店の外に出ていった。
はぁ…めんどくさいことになりそうだ。
とりあえず、店員が清掃活動をしていたので手伝う。こういうのも、万引きGメンの雑務の一つ。
清掃が終わり、あいさつをして店を出る。
あの子はまだ待っているのだろうか。
少女はゲーム機を叩きながら待っていた。
「あ、あの…」
「んー…あ、お兄さんじゃないですか。来てくれたんですね」
「あ、あぁ…。」
これ、少女スルーしてどっか行ってもバレなかったと思う…失敗した。まあ、後から来る上司とかに見つかってもめんどくさそうだし、これはこれで良かった、のか…?
「何をなさってたんですか?」
「タマゴ厳選。それよりも、さぁ…」
「その口調、やめてもらえません?鬱陶しい」
「い、いや、でも…」
「店を出たらお兄さんと僕は店員と客じゃないでしょ。」
「たしかに、そうですn…」
「だから、敬語やめろ」
「そうだね、ごめんね、ハハ…」
「とりあえず謝罪する癖もやめろ。」
「わ、わかったよ…」
少女は声色を戻し
「んじゃお兄さん、ゲーセン行かない?」
「でもこんな時間だし、もうお家に帰らないと親御さん心配しちゃうんじゃない?それに、平日なのになんでスーパーなんて居たの?」
「昨日、家、焼けちゃったんですよ…アハハ。学校は、頭悪い人しかいないので行きたくないですね。」
「そ、そっか…頼れる親戚とかは、いないの?」
「いたら、こんなに夜まで遊んでると思います?」
「…」
「さ、ゲーセン行きましょ?」
「ゲーセンもいいけど…君、朝からずっとスーパーに居て、何も食べてないよね?何か食べたほうが…」
「へー、気が利くんですね、意外に。」
「いや、流石に心配だし…あんまりにも高いものはご馳走できないけど、今日はお兄さんが奢るよ?それこそ、アサリくらいならご馳走できるけd…」
「アサリ、嫌いなんですよね」
「え、あんなに見てたのに?」
「見るのは好きですけど、食べるのは好きじゃないですね」
「そっか…じゃあ、どこ行きたい?」
「マク●ナルド。このゲーム機も充電できますし。」
「じゃあ、マク●ナルド行こっか。たしか、ここから歩いて3分くらいのはず。」
少女は笑顔で歩き出した。




