北陸の秘境から中部山岳地帯へ! 食の冒険活劇、四日目の死闘!
夜明けと共に、私は氷見の地に降り立った。目指すは伝説の宝、「海鮮漬丼定食」。
昨日の勝利の味を再びと意気揚々と魚市場の食堂へ向かう。しかし、運命の女神は気まぐれだった。
一口食べれば、口の中に広がるのは、海の幸を抹殺する「甘い富山風醤油」の魔の手! ああ、神よ! なぜこのような悲劇を! 私の心は一瞬にして氷河期に突入したのだった。
失意のまま、私は富山を後にし、次なるステージ、岐阜へと旅立った。
道中、突如現れた「宇宙最先端」の看板が私の心を捉える。これはきっと、海鮮丼の呪縛を解くための試練に違いない!
ひだ宇宙科学館、その名も「カミオカラボ」へ突入!
美術脳から宇宙科学脳へと強制アップデートされる脳みそ。
ニュートリノという謎の生命体について学び、私は一人呟く。「どんなものでも通過するって言ったのに、水に当たると屈折するだと? おいおい、それって通過してないじゃん!」と。誰もいない空間に響く私のツッコミは、虚しい木霊となって消えた。
道の駅では、私を待ち受けていたのは、警察官という名の「交通安全キャンペーンの守護者」。 彼らが差し出したのは、なんと「398円級のリンゴ」
私はこれを、旅の疲れを癒す貴重なアイテムとしてありがたく受け取った。
飛騨街道を進むと、右手には鮎を狙う孤高の戦士「鮎友釣りの達人」が点在する。
彼らの静かな戦いを見届けながら、私は無意識のうちに次の関門、信州・松本へと足を踏み入れていた。
決戦! そば処せきや、くるみの罠!
松本に到着した私は、宿敵(=前回美味しかったそば屋)「そば処せきや」へと向かった。
店の前にはすでに6組の先客が! これは、私への挑戦状に違いない。
待ち時間、私はメニュー表という名の古文書を読み解く。今回のターゲットは「くるみそば」
さらに、食後の回復アイテムとして「そばシフォンケーキ」と「そばジェラート」も追加注文。これで勝ち確定なり。
しかし、またしても運命は私に牙を剥いた。ついに目の前に現れた「くるみそば」は、その見た目とは裏腹に、甘いあんこのようなタレで蕎麦の魂を奪っていく魔性の存在だった。
ああ、今日何度目だろうか、私のテンションはどん底に叩き落とされた。
だが、私にはまだ奥の手があった。食後の「スイーツ」という名の「回復魔法」だ。
焦げたそば粉をまとったアイスの香ばしさと、ふわふわのシフォンケーキが、私の傷ついた心を完全に癒していく。そう、この勝利こそが今日の本当の目的だったのだ。
満身創痍の私は、そば屋に別れを告げ、燃料を補給。松本ICから高速道路という名の「勝利への道」に乗り込み、最終ステージ・大月ICを経て、
夜の帳が降りる頃、無事に我が城へと帰還したのだった。
今日の旅は、幾多の食の罠と、突如現れる宇宙の神秘、そして救いのスイーツに満ちた、壮絶な冒険活劇であった。