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女の人はナゼかいい匂い

スバルとカナニが荷物を用意している間、エマが話しかけてきた。


「ね! あーしと連絡先交換しない?」

「あ、いいの? メール?」

「いや、そこはチャットアプリじゃない?」

「あーそっか。待ってて。今インストールする」

本当に人と連絡しない奴は、アプリなど持っていない。


インストールし終わっても使い方がわからない。


「よくわからんから任せた」

オレはエマに任せることにした。


「スマホ古くない? バージョン違いすぎて悩むんだけど・・・」

「連絡できないの?」

「いや、待って。あ、できた!」どうやら色々設定をしてくれている。

頭が良いから忘れていたが、ギャルなので操作も得意なのであろう。


「おお! ありがとう!」

「あーしの連絡先は入れといた!」

「人の連絡先だ!」

「何喜んでるのよ・・・あと、あーしらのグループトークにも入ってもらうから!」

「あれか。あの質問しても、読んでるのに答えてくれないやつか。てか、入っちゃダメじゃね?」

「いいの!」

「精神的に辛いって」

「とにかく『入る』を押して!」

無理矢理押させられたので、グループトークに入ってしまった。


なぜか運良く、退出させられず、他の生徒はスタンプというものを押している。

五十嵐が個人的にチャットを送って来たりもした。


「ねー! 写真フォルダ見せてよ~!」

「恥ずかしい写真しかないので、お断りさせていただきます」

「なにそれ。やっぱ変態じゃん!」

全く心外である。 恥ずかしい写真としか言ってはないか。

何を想像したのか詳しく聞きたいところであるが黙っておこう。


しばらくすると、2人の準備ができたようだった。


リュック一つだったので驚いたが、どうやら、特殊な圧縮機械を使うと、布団などでもボックスティッシュ一個分の大きさになるらしい。

女の子なので洋服は多いだろうが、それを使えば荷物は少なくて済むようだ。


毎日同じパンツでも履くのかと期待したオレがバカみたいだ。

準備ができた2人は残りの生徒と別れを惜しんでいた。

英賀や颯太のところにも見舞いに行っていたようだ。


一応、2人は目を覚まし、別れの挨拶はできたとのことなのでとかったと思う。

暴力団の事務所風の玄関で、オレ達は他の生徒に見送られながら、オレの家へと出発した。


ちなみに、オレを含め、四人で帰っている。

具体的には、オレの生徒となったスバル、カナニと五十嵐だ。


何故、五十嵐がいるかと言うと学校を出る前に、

「私もついていってよいか?」

「家? 別にいいけど、どして?」

「べ、別に、見てみたいとかないぞ。ただ・・生徒を最後まで送らないとだな、その、よくないだろ?」

「そうだな。ただ、残りの生徒ほっといていいのか? ドローン壊れちまったんだろ?」

「しばらく知り合いのNTR隊がいてくれるそうだ。なので大丈夫だ!」というわけで、四人で駅に向かっているのだ。

駅までは短く感じた。遠足の基本である、帰り道の方が行きの時より短く感じるというやつなのか。

四人でたわいもない話をしていたからなのか。

理由は謎であった。

ただ、もう一度、駅から山を見てみると結構距離があるように感じた。

やはり、毎日通うことはオレにはできなかった。


お金は、昼食に使ってしまったため、五十嵐が切符を買ってくれた。


16時の電車はかなり空いていた。

今日は結構疲れし、左腕のためにも回復したいので座ることとした。


いつもの癖で端に座ろうとしていたところ、

「先生が真ん中座ってください!」 とスバルが、端に座ろうとしていたオレを止めた。

「端に座りたいの?」

「そーじゃなくて、とにかく座ってください!」

オレは言われるまま真ん中に座り、左にカナニ、右にスバルが座った。


正直、結構動いたので、汗臭かったらどうしようと心配であり、片側でも無機物にしたかったのだが仕方ない。

ちなみに、五十嵐は反対側の席に座ってこちらを見ている。

両隣を美女に挟まれ、正面でその状況を知り合いに観察されていると、緊張で汗が余計に出てくる。


電車が出発してすぐ、スバルとカナニがオレを挟んで会話をし始めた。


「人生ってわからないよね。今朝、この電車で会った人の生徒になるなんて!」

「ほんと信じられない!」

「カナニは何度言っても先生のこと変態って・・・・本当最低なんだから・・・」

「ちょ、私だってひどいって思ってるって。ただ、あの時はこんなすごい人とは知らなくて・・・」

「冗談だよ! たまには私が、からかわないとね?」

「スバルのくせに許さん!!!」

二人で会話したいならわざわざオレを挟まなくてもいいのに。


謎な行動をするものだ。そして、当の本人たちは発車してから5分くらいで寝てしまった。


ま、大変であったろう。いきなり殺されそうになったんだから。

今日は災難だったと思う。アドレナリンが切れて疲れているのはわかる。

ただ、オレもそうなのである。

戦いはそこまで疲れていないが、いつもより朝早く起きたから眠いのである。

なのに、2人ともオレを挟むように寝て、オレの肩に首をかけてくる。


起こしたら可哀想だし・・・

動いたら起こしてしまいそうだが、30分くらい同じ姿勢をキープしなければならないのは最強のオレでもきつい。

五十嵐は、少しムっとし、何故かオレを見つめている。

五十嵐の行動はなかなか読めないものである。

 そんな中、オレは、辛さを和らげる方法を思いついたのである。

オレはやはり天才なのかもしれない。オレには前々から気になっていたことがある。


なぜ、女子の髪はいい匂いするのかと。

朝の電車では、スバルの髪はいい匂いがしていたのを覚えている。

ただ、同じ人間だ。朝から結構動いたし汗もかいたであろう。

いい匂いがするはずがない。したならば別の生物である。


ちょっと首を傾ければ、オレの勝ちが確定する。ただ、目の前には五十嵐がいる。

今はオレの生徒とはいえ、流石に匂いを嗅いでいるのがバレるのは困る。


ただ、オレは天才なので策が浮かんでいる。


オレは五十嵐と目を合わせ、握り拳を作った。

五十嵐もオレが何をしたいのかを理解してくれた。


声には出さず口を動かし、(じゃんけん、ポン!)

まずは、オレが勝ったので、指を差し出し、(あっち向いて、ホイ!)と声には出さないが、口を動かすと、五十嵐は上を向いた。

オレの指は左を向いていたが、そんなことはどうでも良い。

五十嵐が上を向いている間、首を右に傾け匂いを嗅いだ。


なぜだ。なぜいい匂いがするのだ。天使だから汗をかかないのか!


これでは、実験成功とは言えない。怒られるかもしれないがカナニのも嗅ぐしかない。対照実験は大切なことだ。流れ的に、もう一度じゃんけんをする流れだったので、ありがたくじゃんけんをした。


今度は、オレが負けたので、思いっきり左を向いた。

五十嵐は、オレの作戦に気が付いた様子はなかった。


あっち向いてホイの結果は、五十嵐の勝利だった。

単純なゲームにも関わらず、五十嵐は思いの外、喜んでいた。

そんなことはどうでも良かった。カナニの金髪の綺麗な髪からもいい匂いがしているのだ。

同じ人間ではなかった。これは、ノーベル賞ものだ。

新発見をしたオレは、いつか、賞を取ることを妄想しながら、マグロ町まで向かった。

そんな妄想していたら、あっという間に到着した。


さっきは、山の中にいたからか、随分賑やかに感じた。

とりあえず、オレは二人を起こした。


「あれ? 寝ちゃってました? すみません」

「あ、先生ごめん」

スバル、カナニはまだ眠そうだった。

とりあえず、電車を降り、四人でオレの家に向かった。

 途中、近所の人にじろじろ見られた。当たり前と言えば当たり前である。

 昨日まで無職の男が、いきなり美女三人を引き連れているのである。

 無職ではない。フリーターだ。

 いつものように自分に言い聞かせた。


駅からは5分くらいで家に着いた。

調べたことないのでわからないが、立地条件的に、家賃は高いのであろう。

とりあえず、部屋に入る前に、大家の婆さんに挨拶することにした。


大家の婆さんはビルのオーナーで、一階は大家さんの『占いバー』という婆さんが経営している店がある。

散々、客を酔わせたあげく、客を高額で占うという商売である。


客も記憶が曖昧なので内容を覚えていないのである。何という素晴らしい商売だ。


「おーい、大家の婆さん帰ったぞ! 一応、仕事はしてきたぞ! 副担任はクビになったけど」

まだ、客はいなかった。


大家の婆さんは、カウンター席で何かの料理を作っているようだった。


「あんた、またクビになったの?」

「ま、色々あったんだ!」五十嵐はオレの後に続き入ってきた。

「おお、美鈴ちゃん? 大きくなったねー」

「お世話になっております。そうですか? あまり身長も伸びてないですし」

「何言ってんのよ! 胸が大きくなってんじゃないの?」

「や、やめてください!」五十嵐は手で大きな胸を隠した。

「冗談さ! ま、その顔だと、無事だったてことで何よりよ」

「無事とは? まさか知ってたんですか? 今日襲われることを?」

「たまたま、美鈴ちゃんを占ったら、そのようなのが見えてな」

「言ってくださればよかったのに。」


大家の婆さんは予知能力者である。

正直、オレのことは占えないので、『インチキ占い師』と思っている。

ま、無効化で占えないんだろうけども。やはり、現実に能力を見ないと信じられないものだ。


以前、宝くじの番号を教えてくれるように頼んだが、『わかるけど教えない』と言われたので、やはりオレの中では、『インチキ占い師』である。


「変に教えて未来が変わるのは良くなかった。私が見たのは、あんたがいない時に生徒が襲われる様子だ。だから、あいつを副担任に薦めたのさ。なんとかしてくれるだろうからね」


オレは、危険があると言われずに行かされたんだが・・・・やっぱ家賃って払わないことを怒ってるのか。


「お陰で、全員無事でした」

「まあ、ふざけたやつだがやる時はやるやつだ。私自身助けられた身だしな。ただ、家賃は払わないがな! あははは」

やっぱ怒ってる。いつか、石油でも掘り当てたら払おう。


「あ、私が払いますよ?」

「冗談さ! 気にせんといて!」本当なのか冗談なのかマジでわからない。

老人とは恐ろしい生き物だ。


「てか、美鈴ちゃんこいつのこと好きになっちゃった?」

「えええええ、そそそそんなことありませんよ? やだな!」

「冗談よ、ごめんね。こいつじゃ、釣り合わないよね」

ディスられたが、家賃を請求されたら困るので大人しくしておこう。


「てか、挨拶だけしにきたわけではないでしょう。なんかあったのかい?」

「白銀さんに関することです!」

オレは『白銀さん』ってなんだよと思いながら話を聞いていた。


「あいつの子でも妊娠したのか?」

おいババア、何いってんだ・・・


「え? いやいや。そういうのは・・まだ。えっと、白銀さんが担任になって、私の生徒を数人託したのです」


『まだ』ってなんだよ。いいのか? いいのか?

男を勘違いさせるものでない。


「はあ? あいつが担任? なんにも教育なんかするわけないだろう!」

「本人もそう言われたんですけど・・・私がお願いして・・」

「どんな生徒だ?」

「呼びますね。2人も入ってきて!」

「失礼します」

「おいおい、マジかいな。こんなかわいい子が? なんかの冗談だろう? あまり老人をいじらないでくれ。ぽっくり逝っちまう!」

人の事は散々いじったくせに。ぽっくり逝っちまえ。


「いや、私たちが希望して生徒にさせてもらいました」

「一緒に生活するんだよね? もし変なことされたらすぐに言うんだよ。すぐに、NTR隊にいって捕まえてもらうから!」

「大丈夫ですよ!」

「おい! あんたは部屋を綺麗にしてきなさい!」

「じゃあ、ちゃんとオレの大切な生徒をもてなしてくれよ?」

「あんたこうなることわかっててここを訪ねてきたね。全く、無駄に頭がいいんだから」

「未来なんて見なくてもオレにはわかるから!」

「さっさと行ってこい!」

「私も手伝うぞ?」と五十嵐が腕まくりしている。

「大変だからいいよ」

「そうだよ。やめとき美鈴ちゃん。踏み込んではいけない領域がある」

大家の婆さんも反対してくれた。

「ムカつくが、大家の婆さん正解だぞ?」

「私も大人だ! それに私の能力は物を運ぶのに役に立つ!」

「いや、無理すんなよ」

「任せてくれ!」


断れそうにない。

正直、計画では3人をこの店で置いておくつもりだったさっきまでのドヤ顔が恥ずかしい。


ちなみに、オレの部屋は汚い。衛生的に汚れているわけではないが、刺激的な本を含め、物が散乱している。


でも、もし五十嵐が男の部屋を見慣れていたら大丈夫であろう。

「男の家によく行くの?」

「行くわけなかろう。白銀が初めてである。少し楽しみではあるぞ!」


『初めて』という言葉に少し興奮を覚えたものの、今はそんなことはどうでも良い。

レベル1で魔王のいるダンジョンに侵入してはならないのだ。


「まー初めてだが役には立つと思うぞ! 私がいれば風で重いものや下のゴミも集められて便利だぞ!」


そうじゃないんだよ。そうじゃないんだよ。

そのゴミの中にはボックスには書かれていない、使用方法で使われたティッシュがあるんだよ。男慣れしていない女の人にはきついだろう。

担任の件が破談になるならいいが、彼女のトラウマになり、男恐怖症になられても困るのだ。


「オレに襲われたら困るだろ? やめないか?」

「わ、私を襲うのか?」

「いや、仮の話だぞ?」

「ま、まだ早いというか・・心の準備が・・・」

よく聞こえなかったから、スルーすることにした。


「じゃあ、エロ本あったらどうするの?」

仕方がないので、少しストレートに聞いてみた。


「白銀はそのようなもの持っていないだろう? そういうのは犯罪者が持つものであろう? それにさっき動画派と言っていたしな」


偏見がひどいよ。

基本持っているんだよみんな。動画と紙媒体は2つで一つのようなものなんだぞ。

確かではないが、巫女服ものとかあるぞ? 多分。その時、大丈夫かな。



それに一番の問題は、能力を使わせることである。

五十嵐は散々、強者のオーラを出していたのに、今まで能力を使った場面といえば、移動してきた時くらいである。


せっかくの見せ場が、オレのカピカピティッシュを集めるためだけと言うのは、かわいそうである。

 最善策が思いつかない。

戦いでは働く頭は、大切な時に使えないなんて、最強と名乗れない気がする。

今まで隠すと言う概念がなかったから仕方がないかもしれない。


考えているうちに、2階のオレの部屋に着いてしまった。

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