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呼び方ってめっちゃ悩むよね

「説明した通り基本的にオレの前では能力者はただの人間だ。


大男のように一人で何百人倒せても、オレには勝てないんだ。


そうはいっても、ご存知の通り弱点も多い。拳銃もった男、20人くらいに囲まれたら勝てはしない。


戦闘用ドローンを破壊することもできない。


先程、担任さんも言っていた通り、オレの能力はおそらく世界でも見ない例だろう。


現在、海外諸国は、再び、戦争に向け能力者強化を国家プロジェクトとして行なっている。


そのうち、一人で国を破壊できるものも生まれてくるであろう。


ただ、オレはそいつに勝ててしまう。


最強の定義にもよるが、オレは自分のことを最強だと思っている。


だって、国を破壊できる最強の奴を倒せるのだからな。


もし、オレの能力を知ったら、他の諸国は何をするとおもう? 


オレを大人数で襲い、牢屋に入れるなり、殺すなりで良いのである。


殺されないで、人体実験のモルモットにされるという地獄が待っているかもしれない。


そして、能力を登録しないのも、怪しいし、NTR隊に変に注目されたくなかったので、


とりあえず、肉体強化系で登録することにした。


オレの戦闘スタイルは基本的に普通の人間と同じ、殴る蹴るだ。


それなら肉体強化系の弱いやつで通せるだろ? そんな5級のオレがこいつら三人を倒すことはありえない。


変に再調査されてバレると、オレの命や多くの人に危険が及ぶ。だから、このことを言わないで欲しかったのだ」



オレは、担任さんや生徒達に頭を下げた。


「・・・・・」何も言ってくれない。


え? 調子乗って話しすぎた? ズボンのチャックからなんか出てる?


実は、ここまで読まれてた? 政府側の人間?


と思っていると、担任さんが、


「ここまで重い話だとはおもわなかった・・・


てっきり、アニメの主人公のように実力を隠してカッコつけたいだけかと・・・


とにかく、それなら私たちは言わない! 恩を仇で返したりしない!


あと、別に黙るのに金はいらないぞ? 金をもらわなくても約束は守る。


心配かもしれないが裏切らない。信じてくれ」


担任さんがオレに頭を下げてしまった。


「いやいやいや。頭上げてください。金は、生徒のために使ってください。


英賀と颯太に対する慰謝料とでも思ってください。


正直、オレが三人を偽物と気がつかなかったのは仕方がなかったと言い訳したい。


ただ、最強である以上、気付くべきでもあった。気がついていれば、二人は怪我をしないで済んだ。ということで、


オレが納得できないので貰えないです」


「それは私の責任で、貴様が気にすることではない」


「んーー。じゃあ帰りの電車賃ください・・・」


「全部渡すと言っておるだろう」


「いらないです」


そんな押し問答が何回か続いたあと、



エマが突然

「てか、なんで、五十嵐先生がタメ口で白銀先生が敬語なの?」


「突然何を言い出すんだ? オレは副担任で担任さんの下だから敬語に決まってるじゃねーか! 


頭良かったんだろ?」


「いや、五十嵐先生の方が年下じゃん!」


「え・・・そうだったのか? あまり、資料を見てなくて・・・すまん・・じゃなくて、すいません!」


「やめてください! オレ、年齢で敬語とか嫌いなんで。そういうの、いいですから」


「いや、私こそ申し訳ない。恩人に偉そうな態度を」


「じゃあさ、二人ともタメ語にすれば?」

エマがニヤニヤしながら提案してきた。


「いや、仕事上良くないから! 上下関係は大切だから社会では! そうですよね? 担任さん?」

「・・・・」

「担任さん?」

「あ、そうだな! これからタメ語にしよう! その方が良いでしょう! お互い!」

「マジですか?」

「マジ! それか私だけ敬語使うのは、やでしょ?」

「それはやですけど・・」

「やですけど・・・? 敬語になってるぞ・・・」

「じゃなくて、やだけど! なら二人とも敬語は?」


エマがここぞとばかりに会話に入ってきて、


「それじゃー仲良くできないじゃん! 両方タメ口決定!」


『イエーーーイ』という周りからの悪ノリが聞こえてくる。

オレはタメ口を強要された。

エマは自分作戦がうまくいって喜んでいるようだ。せっかくなので、オレは担任に聞きたいことがあった。



「じゃあさ、気になることがあるんだけど、なんでオレのことを訓練後から貴様って読んでたの?」


「いや、あああたしとしてはう、うやまっているつもりでだな・・・


『貴様』は、尊敬語の意味もあってだな・・・た、たしかに『おまえ』も、もともと尊敬の意味はあるが、なんとなくおまえというのは違うかなと・・嫌だった・・・か?」


「いやじゃねーけど、別に名前で呼んでくれた方がいいんだが。」


「いいのか? 名前で呼んで!」


「別に貴様よりはいいよ。てか、覚えてる? 俺の名前? 年齢知らなかったじゃん!」

「勿論だ! これでもちゃんと仕事はしている!」

「じゃあ言ってみて?」

「ク・・ロ・・」

「白銀な! 色で人の名前を覚えていたな! やっぱ覚えてねーじゃん!」

「冗談だ! あ、あ、あえて言ったのだ!」

「本当かな? ま、これからは白銀と呼んでくれ!」

「わかったよ!」そう言った担任はどこか不満そうな顔をしていた。

「オレはなんて呼べばいい?」

「名前で呼んでくれ」

「わかった! 五十嵐って呼ぶよ!」



オレは、もう27歳なのに名前の呼び方ひとつでこんなにも盛り上がるとは情けない。


ただ、頼もしい後輩ができたようで嬉しい気持ちもあった。


丁度お互いの呼び方が決った頃、NTR隊がやってきたので五十嵐はその対応のため教室を去った。


それと同時に生徒達もまた、お互いに話を始めた。


すると、満足げのエマが来て、「タメ口よかったね~」と煽ってきた。


オレに対して自分の作戦がうまくいったことがよほど嬉しかったのであろう。


「ハイハイ。負けました。負けました」

ただ、用事はそれだけじゃないようだった。真剣な顔に変わり、耳元で小声で話した。



「能力の話についてだけどさ・・・みんなはさ、絶対に公言したりはしないと思うよ?


 ただ、あーし達に言ったことで、今日の心読む奴みたいな奴に出くわして、言いたくなくてもバレちゃったらどうするの? 


あーし達は先生みたいに能力効かないわけじゃないし。もちろん、先生は、そのことは考えてたと思うけどさ」


不謹慎で申し訳ないが、耳元で小声で話されると興奮してしまうので今後は自重してほしい。


オレは深呼吸をして、エマの質問に答えた。


「もちろん、その可能性はあるのはわかってた。ただ、その時はその時だろ? 


別に義務でもないのに約束を守ろうとしてくれることがありがたい。


仮に、何らかの形で、君達から敵にばれたとしても、オレは、君達を攻めない。もちろん約束を守らなくてもだ。


その覚悟があるから大丈夫だ! 心配しなくていいから!」


「いっつも・・そうやって・・・わかった。じゃ!」

エマも友達との会話に戻った。


もともと、わかっていたことだが、エマに指摘されて余計に考えるようになってしまった。

別に後悔をしているわけではない。


ただ、人に言わないように過ごしてきたオレが、なぜペラペラと話したのか気になっていた。


焼きが回ったのかな。考えても仕方がないので、考えるのをやめた。


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