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作戦は必ずうまくいかない

*(エマ視点)

「で、どうするよ? なんか作戦考えた?」

颯太が他のメンバーに聞いた。


「んなもん、正面突破に決まっているだろう!」

英賀はアップと称して、ものすごいスピードで腕立てをしている。


「あいつは、ほっておこう」

颯太はため息をついた。


「そーね、あーしたちで考えるしかない。英賀は、作戦は邪道だと思ってるっしょ」

エマが少し呆れた様子で、英賀を見ている。


「はじめから、オレと英賀で陣地に突っ込むのはどうだ?」

「んー微妙かな」

「だって先生5級なんだし、先手必勝でいけばいけるでしょ」

「たしかにね。でも、未知数である以上、攻撃2人をいかせたくない。それにそれを狙って近接格闘戦の苦手なあんたを先に潰して、あーしとの連携を崩そうとするかもしれない」

「じゃあ時間差で行く?」

「それは様子見ってとこね」

「じゃーどーすんのよ」

「相手の裏を読むのよ」

「裏?」

「相手はなにが一番怖い?」

「英賀の破壊光線だろ?」

「いや。あんたの力。25メートル範囲ならクリスタル動かして壊せるでしょ?」

「あーそっか!」


「おそらく、まず、先生が、クリスタルを持って逃げると思う。その時、英賀の性格と能力を利用するはず。具体的には、単純な英賀の性格を利用して、先生が英賀を挑発して英賀に攻撃をさせるように仕向けると思う。

先生は、陣地を中心として半径25メートル以上の距離を保ちながら破壊光線を逃げて、破壊光線で地面に穴をあけて溝を作り、颯太が近づけないようにするのが狙いだと思う」


「確かにそれが成功すると、オレがクリスタルを操れなくなって厄介だな。

ただ、疑っているわけではないが、先生がクリスタルを持つとはわからなくないか? カナニかもしれないだろ? なんでそこまでわかるんだ?」


「先生で間違い無いと思うよ。何があったかは知らないけど、カナニと先生には何かあった様子でしょ? 

英賀の攻撃を避けるのは危険なのは明白。

仮に、先生が作戦を考えた場合、その危険な役割をカナニに押し付けないでしょ。

そして、カナニやスバルが考えた場合は、カナニが先生にその役を押し付けると思うし」


「なるほど。そうだな」


「とにかく、あいつはそのまま破壊光線を打つと思う。ま、破壊光線を避けられず、クリスタルが壊れてくれるなら、それに越したことはないんだけど。とりま、半径28メートルに溝ができることは確定ね」


「25メートルじゃなくて?」


「先生は大人よ。余裕を持って行動するはず。そして、英賀を先生とスバルで攻撃するはず」

「なんでスバルってわかるのさ」

「能力強化して戦うに決まってるじゃない!」

「あ~! じゃあそれを阻止するの?」

「いや。そこに勝機がある。溝が完成した時、完全にあーしたちは眼中になくなる。

きっと、あーしたちは英賀のあとゆっくり倒すつもりだから。

だから油断しているところを遠距離攻撃で狙う」


「遠距離ってあれをやれってこと?」

「そうよ」

「遠距離攻撃対策してたらどうする?」

「その可能性は低いと思う」

「なんでさ」

「スバルはあなたのその技を知らないから、先生も知らないと思う」


「そういえばそうか。見てたのがお前だけでよかったぜ。一応確認だが、遠距離攻撃って、念動力を思いっきりため、それを物体に加えることで、一直線上にものすごいスピードで物を飛ばせることだよね? 

これなら飛距離は伸びるし」

「そうよ!」

「ただ、あれを使っちまうとしばらく念動力が出せなくなっちまう」

「大丈夫よ。じゃあ、作戦を説明するね。まず、クリスタルを破壊するために大きな剣をあーしが作る。ただ、時間もかかる」


「手榴弾とかはダメなの?」


「いいけど、仲間に当たったら危なくない?」


「そーだな。傷つけたいわけではないし。途中で爆発しても困るし」


「で、あんたも念動力貯めるのに時間がかかるじゃん? そこで、英賀に溝をつくらせている間にお互い能力を使うの。どお?」


「やっぱ、天才だと思う」


「おそらくカナニは、クリスタル付近で、あーしたちの動向を探っているはず。ただ大きい剣が高速で飛んできたら流石に動けないと思うの。特に、相手チームにとっては不意打ちだし」


「てかよ、予想に反して3人が攻めてきて、オレらがなにもできなくて終わったらどーする?」


「それはそれじゃない? でも、向こうは攻撃向けの能力がおそらく先生だけでしょ? だから短期戦で攻めてくる可能性は低いと思う」


「そうだな。ただ、一人で俺たち三人を攻撃してきたら?」


「一応、抑えるけど今のあーしたちじゃ実力不足ってことでしょ。その時は潔く負けを認めるよ? あーしは」


「ま、俺も英賀も同じだよ。実力不足を認めるさ」


「逆に、本当に5級レベルだったら、英賀の攻撃で終わっちゃうしね。それはそれでウケる!」


*(白銀視点)

前2グループの試合の映像がフィールドのモニターに映し出される。


担任さんを含めみんなは、他の人がどんな戦い方をするのかと注目しているが、オレは見ることに集中できない。


別に、緊張しているわけではない。


別に本気を出せば、最強なオレは生徒になにもさせないことが可能だ。


ただ、頭の中で、自分の作戦に穴がないか確認していた。


それで集中できていないのである。オレの作戦はこうだ。


まず、オレらには攻撃力がないので、直接クリスタルへ向かうことはやめた。


そして、おそらく性格から考えて最初にやってくるのは英賀というやつであろう。


颯太は近接格闘戦は弱く、能力的にも距離を取るはず。

颯太と英賀の二人が一気に攻めてくる可能性もあるが、その時は2人を相手にするしかない。


話を聞くに、エマは策士だ。

オレの能力がわからないのに、攻撃に2人とも向かわせることはしないであろう。


それに、人間の心理的に陣地を守っていないと安心できない。

ただ、厄介なのは、時間差で現れることだ。


颯太は25メートルの範囲内なら扱えてしまう。

オレの能力を見極めて、安全と思ったら25メート以内に近づいてくるかもしれない。

その時は、カナニを配置して防いでもらうしかない。


そして、25メートル範囲に来させないため、英賀をおちょくって地面に穴を開けさせよう。

射程外の25メートルより余裕を持って、28メートルを走ることを心がけ、地面に穴を開け、飛び越えにくいようにしよう。

これで颯太に直接クリスタルが操られることはないだろう。

ひとまず安心して良い。


あとは、クリスタルを元の場所に戻して、英賀とオレが戦っている隙に、スバルが英賀を格闘で倒す。


その後、オレが攻撃に転じて、溝を飛び越えて、ナイフなどを操ってくるであろう2人組を避けながら倒せば良いだけだ。


身体能力の高くない2人が、クリスタルを持って走り回るとも考えられない。


クリスタルは、陣地に置いておくはずだろう。


作戦は大丈夫そうだ。


これなら、生徒に良いとこを見せつつ金も手に入る。


そう確信して順番が回ってくるのを待った。

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