第十六話 ブルマちゃんの涙
スタ、スタ、スタ
「あ、ブルマちゃん。いらっしゃい。今日は何食べていかれますの?」
と私尋ねましたら
ブルマちゃんは
「今日の気分は焼きささみニャ。…あれうまいニャ。早よ、よこせニャ。」
といつもの俺様ぶりです…。
ここまではいつもと変わらぬ光景ですが…今回は少し違ってますの…。
「えっと…焼きささみ、焼きささみっと。ん?あ。ブルマちゃんゴメン。焼きささみ無いですわ。焼きささみ買い忘れて切らしちゃってます。」
そしたらブルマちゃんは
「……………なんだと…?このブサイクが…。貴様は食料の在庫管理もまともにできないのニャ?これだから、貴様はブサイクで能無しだというのニャ。お前みたいなヤツはさっさと去れニャ…。」
て…。
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「ウゥゥ………わー!!!酷いよ!ブルマちゃん!そこまで言う事ないやないの!ブルマちゃんのばかぁ!私、そこまで言われてご飯あげる事ないや!ブルマちゃんが去ればいいんだ!もう顔も見たくないよ!ブルマちゃんなんか居なくなっちゃえ!」
私、最近職場のストレスもありキレちゃいました…。
でも…だんだんと後悔。
「あ…ブルマちゃん?ゴメンよ…。言い過ぎました。ホントごめんなさい…。そうだよね…。ブルマちゃんが楽しみにしてた焼きささみ買い忘れちゃって…悪いのは私やんね。……よしっ。急いで買ってくるからブルマちゃん待っててね。」
と、私が焼きささみを買いに行こうとしましたら
「…買ってこなくて良いニャ。」
とブルマちゃん。
「イヤ、悪いのは私だから買ってくるよぉ。ねっ?行ってくるからね?…ん?ブルマちゃん?どうしたの?…あっ!ブルマちゃん泣かんと~!悪いのは私なんだから!ブルマちゃんは悪くないって~!」
ブルマちゃんが泣くなんて私ビックリです。
どうしたら良いか分からず私オロオロしてましたら…
「グス…たまおしゃん。ごめんなさいニャ…。死にかけてたの助けてくれて、ご飯も毎日くれてるたまおしゃんにいつも悪態ついて、困らせてホントごめんなさいニャ…。グス…。たまおしゃん、お願いニャ…。これからも来させてニャ…。俺様、たまおしゃんが大好きニャ。いつもありがとうニャ。」
ですと~!
「うわーん!ブルマちゃん~!ヨカニロ!ヨカニロ!ずっとここに来ればヨカニロ!私もブルマちゃんが大好きニロ~!」
「たまおしゃ~ん!」
「ブルマちゃ~ん!」
もう感動的な仲直りですよぉ…。
ブルマちゃんがこんなに可愛くて良い子だったなんて…。
私、ブルマちゃんを育ててホントに良かったです。
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「という夢を見たのさ。ウフフゥ。ねっ?ブルマちゃん。感動するろ?泣けるろ?」
「気持ち悪っ!お前はバカニャ?…ホントにおめでたい奴ニャ。お前の頭の中はどうなってるのニャ…。この脳天気ブサイクがっ。早々に立ち去れニャ!」
「うわっ!ブルマちゃん反省!口悪すぎ!そんな事ばっかり言うと、本当にご飯あげないよっ!夢みたく去れって言うよ!良いのっ?」
「ふっ…良いニャ。…俺様みたいニャ男前は、どこに行ってもメシの心配はないのニャ。ふっ…黙ってても誰かが必ずメシを貢いでくるからニャ。…それより俺様がいなくなると困るのはブサイクじゃないのニャ?」
「ど、どうしてさ!?」
「…俺様がいなくなったらお前一人…ポツーンニャ。フフフ。…去ろうかニャ?」
「ア、アワワワ…ブルマちゃん去らんといてねぇ!ね?ブルマちゃん?お願いしますよ?」
私、友達も恋人もいないたまおです。
ブルマちゃん去ったら…ポツーン。
私、足ガクガクさせながら嘆願です…。
ブルマちゃんはやっぱり悪い子ですっ。
(T□T) チッキショー