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アドミラルドラゴン(星海転生)  作者: 伊藤洋行
第一章 ダイゴ誕生
13/14

魔法三原色発動!

 戦闘も佳境に入って来ました。

ミツバちゃんの活躍ですw

 ミツバ一等兵は困惑していた。

戦況が悪化する中、このまま何も出来ずに宇宙に散るのかと想うといたたまれなかった。

せめて自分を信じて艦に乗せてくれたダイゴ艦長の為にも何か役に立ちたかった彼女は意を決して"ある場所"へと走り出していた。


戦闘艦の魔導砲は照準・発射等の制御はAIが全て行い魔力供給は魔法士官が担っている。

故に魔法士官のMPが枯渇すれば弾切れとなってしまう。

一見、効率が悪そうに思われるが魔力増幅システムの発達によって、その威力は通常兵器のそれを遥かに凌駕し魔法士官のMPが回復すれば、すぐさま攻撃を再開出来るので結果的に効率が良かった。

また魔力の種類は赤は熱線系、青は氷結系、二つをかけ合わせれば爆裂系とバリエーションに富んだ攻撃が可能だった。

それとは逆に宇宙空間で攻撃性に乏しい他の色を使う事はまず無かった。


主砲機関にたどり着いたミツバは疲労困憊しながらもMP供給を続けているスタッフの間に割り込んで行った。


「私も手伝います!」

そう言うと彼女は魔導球に手をかざした。

「あなた、緑の魔法士官じゃない!」

他の魔法士官が慌てた様子で諭すが彼女は耳を貸さず全身全霊で魔力注入を行った。

その場にいたのは赤と青、そしてミツバ一等兵の緑の魔法、三色の光が同時に魔力球に注ぎ込まれてゆく。


「えっ!何コレ!何なの⁉」

その場にいた魔法士官たちが驚きの声を上げる。

魔力球が白く輝きMPゲージが一気に満タンを示したのだった。


「MP回復しました!攻撃色は・・えっ!・・あっ!・・白です⁉・・」

「艦長・・白ゲージのMPなんですが、どうしましょう?・・」

ブリッジのオペレーターのエルフは困惑しつつダイゴに報告する

「この際、色にこだわってる暇はない、取り敢えず打つべし!」

「ま・・待て、艦長‼」

ダイゴが躊躇なく指令を発するが副官のレイチェルは慌てて、それを制する。


本来"白"は一部の聖職者等が有する回復系の魔法であって戦闘艦の攻撃魔法として使用された事など無かったので何が起こるか分からない。


「僕を信じてくれ」

ダイゴはそう言うと何の迷いもなくシマカゼに命令する。

「目標、前方敵戦艦、シマカゼやっちまえ~!」

「了解~♡」


シマカゼの主砲が白く輝き最大出力で発射される。

本来なら駆逐艦の砲撃くらいでは戦艦の魔法障壁を突破するのは難しいのだが今回は違った。

シマカゼから発射された白いビームは、まるで薄氷を割るかの如く敵の魔法障壁を破壊した。


「よし!」

ダイゴは状況をすぐさま確認すると味方艦に報告。

連絡を受けた戦艦が魔法障壁の無くなった敵戦艦に砲撃を浴びせる。

無防備になったゴブリン艦はたまらず爆炎を上げ轟沈する。


「魔法障壁を、あんな簡単に破壊するなんて・・・」

驚くレイチェル副長たち。


「シマカゼちゃん、その調子でバンバン行くぞ」

「魔法士官のみんな、ありがとう!もう少し頑張ってくれ!」

ダイゴの伝令を受け、魔力球に魔力を送っていたミツバ一等兵は自分の判断が間違っていなかった事にホッとするとともに、艦長を助ける為にと全力で魔力供給を行った。

それを見ていた他に魔法士官たちも意を決し、気力を振り絞って後に続く。


"シマカゼ"は敵艦の間を縫うように舞い次々と魔法障壁を破壊していった。

そこに陣形を素早く建て直したトウゴウ艦隊の戦列が容赦ない攻撃を浴びせていく。

丸裸にされたゴブリン艦たちは、たまらず爆散、シマカゼは水を得た魚の様に活躍していた。


「全・・全艦ゴブリンミサイルを発射しろ!」

「あの目障りな小バエを叩き落せ~ギャアース!」

モニター上で、たった一隻で次々とゴブリン艦の魔法障壁を破壊されるのを目の当たりにしたゴブリン・ジェネラルはヒステリーを起こしながら怒号を発した。


「何としてもアレを仕留めろ!その間に絶叫砲発射準備だ~ギャース!」

100隻余りの戦艦から大型のゴブリン・ミサイルが一斉に発射され"シマカゼ"めがけて殺到した。


「本日のラッキー指数55%、努力は報われるでしょう!」

"天の声"を聞いたダイゴは不敵な笑みを浮かべ

「まだ55%もあるじゃないか、努力しましょう!」と呟いた。


トウゴウ司令官率いる第128・第95混成艦隊は善戦していた。

魔法障壁を失った敵艦を的確に狙い撃ち確実に仕留めていく。

敵の絶叫砲攻撃により戦力の3割を失ったものの、完全に陣形を立て直し数的不利にも拘わらず五分の戦いに持ち込んでいた。


「敵ミサイルには充分注意しろ!」

「ドローン戦闘機をぶつけてもかまわん!」

老練なトウゴウ指令の判断によりジリジリと巻き返しを計っていく。


「シマカゼはどうした?」

「敵ミサイル群に追われ戦線を離脱している模様!」

「援護は出来んのか!」

「離れ過ぎてしまって無理です!」

オペレーターの報告にトウゴウ司令官は苦悶の表情を一瞬見せ

「健闘を祈る!」

と呟くとすぐさま頭を切り替え、次の号令を飛ばし艦隊運動を指揮するのだった。







 第13話、修正しました。


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