真冬のショート・ホラー小説劇場 第7話 「森の奥の謎の工場」 short short horror story of mid winter
short short horror story of mid winter
私の生まれ育ったのは田舎の県のさらに山奥の開拓村でした。
昭和30年代のことです。私はそのころ小学生でした。
周りはうっそうと茂る手つかずの雑木林で囲まれて、、切り開かれた開墾地に畑が広がっていました。
当時の子供たちにとっては遊び場といえば雑木林でしたね
わたしの名前は「圭ちゃん」とでも呼んでください
みんながそう呼んでますから、、。
雑木林、
そこには何でもありました、木の実、キイチゴ。野葡萄。あけび、山栗、山柿、、
正に食材の宝庫です。当時コンビニなどもありませんでしたが子供たちはこうした豊富な
山の幸で満たされていたのです。
ある日のことでした、、、私たち村童たちが雑木林に行くと、数人の見慣れない男たちが下草を刈り木々を切り倒していたのです。
ビックリしていると「お前たち、ここに近づくんじゃあねえ」と男たちに追い払われてしまったのです。
そうして怖くて近づけぬまま、、、、、ひと月近くがたちある日おそるおそるその場所の近くまで行ってみると
高い塀に囲まれた不気味な工場のようなものが立っていました。
私の村にそんな工場はなかった工場でした。
でも、、稼働したその工場へは村の人は誰も入ったことがないという
そして夜昼構わず何か作っている、ズンズンという音や
キーンキーンという削るような音もする。
謎の工場が山奥にある、
目つきのの怪しい男たちが夜遅くに出入りして
夜も明かりがついてる。
窓は、目張りしてあってうかがうこともできない。
それに機械がぎーぎーなっている
とうとうある日のこと私は暗くなった夕方こっそりとその工場の探検に出かけたのだった。
あたりは薄暗く森の中ですから、より一層真っ暗です。
工場の灯りはついていてぎーぎーなっています。
わたしはそっと身軽に塀を乗り越えて敷地内に降り立ちました。
そしてそーっと窓の隙間から覗いてみました。
すると中には大きな鍋が置いてあってその中には人間の死体が裸でいっぱい放り込んでありました
ぎょっとして、、さらに覗くと何人かの男たちがその死体を引っ張り出して
鋸盤でぎーぎー挽いてるのでした。手足と体を分離して肉片にわけているのです。
コンクリの床は血の海でした。
そうです
ここは死体?死肉処理場??だったのです。
なぜ?
分かりません
悪魔の工場なのか?
それとも悪夢なのか?
わたしはぞっとしながら静かにその場から逃げ出していました。
家に帰ると私は決して誰にもこのことは言いませんでした。
だって誰も信じてくれないでしょうから。
その後しばらくして、、この工場が地元見学会を決行したのです。
村人はみんなで行って見学したそうです。
で?
村人が見たものは、、羊の肉の加工場だったそうです。
トサツされた羊の肉を加工して袋詰めする工場だったそうです。
では?
一体私の見たものは、、私が見たあの凄惨な光景は何だったのでしょうか?
今でも、、、、私には信じられないのです。
「村人たちの会話」
「ところで圭ちゃんはその後どうなったんだい?
まだ入院・入所中なんかね?
そうだね。なんでも中学生のころから、、特に、妄想がひどくなってしまって、、、、
強制入院させられてしまい、あれから10年たつけど、、いまだに退所の見込みは立ってないそうだよ。」
終わり