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帝国都市ノ廃園地〜侍編〜  作者: Thunder-雷-
1/1

侍と少女と遊園地

某キャラクターの影響で思いついたお話。

 目の前に広がるのは見た事ねぇ風景、そして不気味漂うからくり(?)のような音。

「な、なんじゃここは…」

 見渡す限り日も月もなけりゃ、空一面には夕日色のような雲がある状況。

 そんな光景に唖然とするワシに裾を引っ張る少女が現れた。

 驚いたワシはその少女がこの時代には相応しくない格好に無表情な顔立ちについ距離を取り、刀を抜き構えてしまった。

 少女は表情一切変えずワシを見つめる。

「あっ…ち…」

と少女の後方へと指を向けている。

 その先には窓や扉が壊され、中は薄暗く散らかってる建物じゃ。

「あ、あっちにゃ何がるんじゃ!答えろっ!?」

と怒鳴りかけても少女は無反応で同じ言葉を繰り返しす。

 ワシは「話もできん奴ァと馴れ合う筋合いはなか。んじゃの。」と指差す逆の方へと歩き出した。

 しかし、少女に裾を掴まれ振り切ろうとするが、微動だに出来ず一歩も動けない状態にワシは諦め、先程の建物に向かわなければ行けなかった。

「行きゃいんじゃろ!行きゃっ!?」


 中は何年も出入りしてない程にホコリが舞い、木造で出来た感じはない。

 石のような硬い何かの素材で囲まれておる。

 少女は奥にある1つの扉を指差した。

 少女には手が届かないのか扉を開けることが出来ないらしい。

 ワシが開けようとするが、鉄のような丸い物体を引こうが左に流そうとしてもビクともせん。

「んじゃこりゃ!!腹立つやっちゃな…をりゃっ!?」

と足で蹴り倒すと、扉が倒れホコリが視界を奪うかのよう舞った。

 その時の少女は左手を反時計回りに回る動作をしていたそうじゃったが、何を考えておるのかさっぱりわからん。


 中へ進めば明かりが照らされた部屋だが、書物や大きめの机しかねえ。

 少女は机に向かい、引き出しを漁り、たくさんの鍵が輪っかに纏められた状態のを持ってきた。

 それを持って建物から走って出ていく。

「え、お、おい!待て何処行く!?」

 ワシが少女について行った先は、白馬が串刺しにされた煌びやかな丸い建物じゃった。

「うぇ、殺伐じゃなぁ…」

 少女は丸い建物に囲われている柵に鍵穴を見つけ、鍵を入れ開ける。

 少女は動かない馬に乗り、足をパタパタをさせる。

 そんな少女の服を摘み持ち上げた侍。

「おめぇは心ちゅうもんがねぇんか…」

「……」

 少女は何か言いたそうじゃったが、ガキにしては無邪気過ぎて恐怖すら感じた。


 -▼△▼△▼-


 少女が次に「あっち」といって向かう先が、“ータスーコト■■ジ”と(一部は錆びて読めないが)書かれた風通しの良い建物があった。

 少女がまた柵にある鍵穴を開け、中へ走って入っていった。

 しかし、そこに何も無い上に長くうねってる橋がある。

「錆っちょるし、今にも崩れそうじゃの…おめぇここになんの目的で来たんじゃ…っておい?!どこいっとるんやっ!?」

 少女は目を離した隙に錆びれた長い橋の右側を渡り登って行っていた。

 それはとても高いところまで。

「おま、ちと待てやっ!ひいぃ…!?」

 下が丸見えで、この橋には間を開けた太い棒が2本があるだけの危険な橋じゃ。

 少女はスイスイと進み、その先にあるのが色鮮やかな乗り物じゃった。

 少女が乗り込むと侍を待ち焦がれてるかのように上から眺めておる。

「はぁはぁ、なんじゃ!見るんじゃねぇやっ!?」

 なんとか乗り物に辿り着き、乗り込んだその瞬間━━


 ガシャンッ ガガガッガガッガッガッガッ


「ん?な、なんじゃ?!揺れとるぞ!っうわあああああア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!!!!!」

 侍が乗り込んだ瞬間に色鮮やかな乗り物は、獲物を見つけたトラの様に勢いよく走り出した。

 乗り物は見事に太い棒2本の上をガラガラと歪な音を散らせつきながら迅速な速さで進む。

 いねりくんだ橋を進む乗り物に乗っているワシと少女は、前の座席に捕まりながらも勢いよく揺らされながらも耐えていた。

 そして2人の目の前に現れたのは、大きな輪になった橋だった。

「なんじゃありゃあああア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!!!!!!!!!!!!!!!!」

 その輪に乗り物は勢いに任せ突っ込み上がろうとするが、頂点に届きそうなところで減速した。という事は、

「え、嘘じゃろ?ここで止まr…!?後ろかあああア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!!!!」

 と乗り物は先程の道のりを戻りながら進んじゃった。

 といっても先程より速さもなく、少し盛り上がったところで減速し、軽く進んだところで漸く止まっちゃ…。

 ワシの意識は朦朧とし、思考も止まった。

「……あぁ…あ…もう…なんやったんじゃ……。」

「…んん、ね。あっち。あっちー。」

 少女はワシの裾を揺らし、別の場所へ移動しようと声をかけちょるようじゃがどうも気力がねえのか聞こえてねえフリをしとるのか、それは今のワシの心情を読み取るのは難しいじゃろうな。

「ねぇー」

「……はぁ、ちと休むわ…」


 あと先程の輪の橋の先には錆れて、崩れ落ちていた痕跡があったっぽかったがワシはまだ夢を見とるようじゃ。


〜つづく〜

廃墟と侍が好きなThunder-雷-です。


少女が何故こんなにも侍を振り回すのか、何を目的としているのか、侍は何故こんなところにいるのか…様々な謎があるにもかかわらず遊具でそんなことも吹っ飛んでしまう。可愛いもんですね。

さぁ次回は、新たな人物が出てきます。今年中には出す予定ですので、お楽しみ!

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