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Kiss of Monster 02  作者: 奏路野仁
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046

午後の授業が始まってすくだった。

校内放送で呼ばれ職員室に向かうと待っていたのは敷島楓。

外で体育の授業中だったクラスの教師が校門の前で行ったり来たりをしている彼女を見付ける。

「何か用かな?誰かの忘れ物を持って来てくれたのかな?」

「キズナ。」

「それって名前?苗字判るかな。」

「・・・忘れた。」

困った体育教師が彼女を職員室に連れ対応を任せる。

暇だった三原先生がお茶を啜っいたのが幸いした。

彼女は敷島楓の母親と面識がある。と同時に柏木梢が絡んでいる事も知っている。

「キズナって呆けっとした顔のちっこいお兄ちゃんかな。」

「それ。」

と呼ばれた。

「オマエとうとう小学生に手を出したか。」

入る早々何を言い出すかこの保健医

それを聞いた敷島楓は三原紹実の白衣の端をぐいと引っ張り

「抱かれなかった。」

これ以上の誤解は不味いと経緯を話した。

「そうか。楓はキズナを迎えに来たのか。」

学校で待つように言ったのは確かだ。

だが小学校の終了時間を確認しなかったのが誤りだった。

「待っていられないよなぁ。本当にキズナはダメな奴だな。」

「キズナはダメな奴なの?」

「ダメな奴だ。だから楓がしっかり面倒見てやるんだぞ。」

「判った。」

判っちゃったよ。

その日はそのまま職員室で預かってもらうことになった。

三原先生が有る事無い事吹き込まないことを祈ろう。

授業が終わりすぐに柏木梢に事情を話す。

「仕方ないよ。学校終わるまで紹実ちゃんが面倒見てくれるんだろ?」

「ちょっと話ししてくるから。キズナにも悪いことしたな。」

彼女が職員室に向かうと皆に説明を求められ、もう一度全部説明する羽目になった。

「あーそれは犯罪だからボクには描けないな。」

栄椿は何を言っている。

「小学生にまで手を出すとか。」

南室綴は三原先生と同じ事を。

この人達が何処まで本気で言っているのか判らなくなるのが困る。

「最初から皆に紹介しておけば誤解されずに済んだんだぞ。」

小室絢の言うことはもっともだがその機会か無かった。

「明日神社に遊びにおいでよ。屋台もでるから。」

「アタシらも屋台の手伝いに行くからその子連れて来いよ。」

橘結と宮田杏が神社での七五三に誘ってくれた。


夕方、その神社での手伝いが終わり夕食の買い物へ

何か食べたいものある?

「オムライス。」

被せ気味に即答。昨日も食べたけどいいの?

「うん。オムライス食べたい。」

それじゃあせめて中の具とソースを替えよう。

帰宅後、宿題は?と聞くととゔやら三原先生が面倒を見てくれたようで職員室で済ませていた。

それでは台所へ。

サラダやらスープやらを作り、オムライスの作成に取り掛かると

「見ていていいですか?」

うん?いいよ。

あ、今日はフワリしたトロトロのオムライスにしようか?

「まきで。」

判りました。それでは卵を溶いていただけますか?

その間に具材を刻み、昨夜のチキンライスからバターライスに変更。

フライパンを持つ僕の手元をじっと見詰める敷島楓に少々緊張する。

彼女はどうやら作り方を覚えたいようだ。

それなら。と。

バターライスを一度皿に戻し、この時点で形を楕円形に整えておく。

フライパンにバターを足し、卵を入れる。

フライパンを回しながら卵を広げ、とろみが少なくなったら一度火を止める。

皿のご飯を卵の中央に乗せ、ヘラで両端の卵を被せる。

ゆっくり滑らせながら皿に移し、皿の上でコロンとひっくり返すと出来上がり。

どうかな?

パッと目を輝かせ僕を見た。こんな笑顔は初めてだ。

自分でケチャップかける?

「いえ。お願いします。」

(`・ω・´)

「昨日のと違うっ!」

また笑ってくれた。

夕食を摂りながら、明日は神社へ行こうと誘った。

屋台が出るからそこでお昼にしよう。焼きそばがいいかな。

「うんっ。」

打ち解けてくれたかな。


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