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Kiss of Monster 02  作者: 奏路野仁
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066

境内で僕を待ち受けていたのは三原紹実。

そして橘結。南室綴と小室絢もいる。

どうして?

「どうしてって、神社に来るとこんなに美少女がいるんたって事をだな。」

呆れてしまう。

本当にこの人は呆れるほど素敵な魔女だ。

「で?具合はどうだ?」

悪いはずがない。

「よしっじゃあお昼にしよう。」

橘結の作ってくれたおにぎり。

特別に開放してくれた神楽殿に座り皆で食べた。

きっとこれも三原紹実のお膳立てだ。

春の風が心地良く吹き抜ける。

いろいろと面倒を掛けたお礼を述べようと橘家に寄らせてもらった。

いつもご迷惑をおかけして本当に申し訳ありません。

「何を言っている。二度も娘を助けてもらって。お礼のしようがない。」

「これからも私に出来ることがあればいつでも力になる。」

ありがとうございます。

「娘をくださいってのはまだ早いと思うがまあどうしてもって言うなら考えなくも」

「ちょっっ何言ってるのよっ」

「おおうっ父親公認かよっ。」


翌日、登校すると同時にエリクとルーに屋上に引っ張り上げられた。

体育祭の事で何かまだ問題が?

「ゴメンナサイ。」

「ベリーソーリーですボス。」

何の話?

2人は僕に怪我をさせたと、打ち上げ終わりに南室綴と柏木梢に相当責められたらしい。

2人は自分達が未熟で怪我をさせてしまい心からの許しを請う。とかそんなような事を言っている。

許すも何も、僕は怒っていない。

トモダチが大変な事になっていたら助けるのは当たり前だ。

2人が無事で良かった。

簡単に許した僕に戸惑っている表情を見るに、どうやらかなりキツク説教されたようだ。

2人には何度も助けてもらったから、少しでも借りが返せたかな。

「借り?やめてくれ。ボク達はトモダチだろ。」

「そうデスよ。お水クサイです。」

違うよ。

トモダチだから貸し借りができる。

担保とか証文とか契約書なんていらない。お互いの信頼関係のみの取引。

知らない人と貸し借りなんて怖くてできないよ。

「ボス何者?やっぱり怖いよ。」

また怖いって言った。どういう意味?

「イミ?be afraidとかfearね。」

いや、どうして怖いの?why?

「Well。アー。前にも言ったよ。ボスは人の子。」

「私オオカミオトコ。コイツヴァンパイア。それボスも知っているね。」

「何で怖くない?知っているのに怖くない?」

「ボスは何かのモンスター?それともマーベラスヒーロー?」

怪物呼ばわりされた事はある。でもそれが理由じゃない。

僕が2人を恐れないのは、2人がイイ奴だって知っているからだよ。

I'm not afraid of you. because you are my friends.

僕のこの言葉に、2人は呆れたような顔をしてしまった。

文法おかしかった?それとも発音がヘン?

「ノーノー違います。違いません。あれ?違わなくなくなくないです。」

「何もおかしくなんかないよ。」

エリクは僕の手を取った。ルーもその上に手を合わせる。

「キミとトモダチになれて本当に良かった。」

「ミートゥ。」

それにしても一体何だったのだろう。

とりおさえられた女子2人は「人形」だった。

つまりそれって。

「多分、彼だね。」

でもどうして?何が目的?

「さあ。目的なんて無いのかも。何と言ったか。愉快犯?」


「今年こそわっ。」

柏木梢の意気込み。

まだ7月になったばかりだと言うのに

「皆で海に行くっっ。」

8月は夏祭りの準備で忙しくなるだろうから7月中、遅くとも8月第一週。

「今から各自調整する事。」

この街から海に行くには徒歩や自転車では難しい。

電車かバス。どちらも2度3度乗り継いでようやく辿り着ける。

「今年は無いの?」

「・・・あるけど。」

橘結が小室絢に何やら確認してるいが、気のない返事。

小室道場主催の小学生を対象にした1泊2日の海合宿。

毎年開催されているが小室絢本人は中学生の時に一度行っただけ。

「絢ぽん海嫌いなん?スタイルいいのに勿体無い。」

「よくないよっ。こんなガチガチの筋肉女。」

「そうなの?」

南室綴はどうして僕に確認を求めるのか。

「恋人なんだから裸くらい見てるでしょ。」

見てません。

「待てっ何だ恋人ってっいつからそうなったっ。」

「判っているくせにどうして反応するかね。」

栄椿は南室綴の煽りを躱すのだが宮田杏は違う。

「コイツが時々本当か嘘か判らない事言うからだよっ。」

宮田杏の指摘はもっともだ。

「だいたい私達だってキズナに半裸見られてるじゃない。」

なんだそれ。

「それでその海合宿がどうしたの。」

「姫と綴は師範扱いでキズナの事も子供達は知っているからいいとしても」

「あ、杏達が一緒じゃないないらこの案はナシだろ。」

「はうっ。」

栄椿は何かの攻撃を受けた。

「すっ素敵すぎる絢ぽん。ボク胸がキュンてなった。」

「はぁ私も惚れたかも。」

柏木梢まで何か言い出した。

宮田杏はどうした?

「くっクサイ事言ってんじゃねぇっ」

何だ照れているだけか。


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