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Kiss of Monster 02  作者: 奏路野仁
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055

祖母の用意した紙袋では足りず

「いいわよ強調しなくて。」

祖母の用意した紙袋では足りず、職員室で空き箱をもらい保健室で預かってもらう事になった。

同級生だけでなく上級生からも届くのはあの文化祭があったからだろう。

放課後、保健室に三原先生はいなかった。

この箱持って帰るの大変だなぁ。

手伝いますよ。

「おーっ間に合ったか。絢これ使え。」

三原先生はデパートやらお菓子屋やら服屋やら神の手提げ袋をかき集めてくれていた。

「ありがとう助かるよ。」

「おう。キズナもこれくらい貰えるようになれよ。手ぶらじゃないか。私の以外貰えなかったのか?」

はい?

「お返しはお前の手料理でいいぞ。お前料理得意だって聞いたから。3月の旬て」

「オマエカーっ」

と呑気な三原紹実に一斉のツッコミ。

「なっなんだよ。」

「キズナの机の上に本命って書いた箱置いたの紹実ちゃんなのね?」

「おうっあれ?判らなかった?半分以上本気だぞ。他に誰からも受け取っていないなら100%本気でもいいぞ。」

「何言ってるのよエロ教師。」

エロ教師

「普段来るの遅いくせに何だって今日に限って。」

「昨日の夜帰る前に置いたんだよ。」

「なんだよそれ。」

「なんだったのホント。」

「勝手にキズナにチョコ渡さないでっ。」

言われたい放題だな。

「お前らあれか。私のだって判らなくてモヤモヤしてたな?」

三原紹実は僕の腕を取りグイと引っ張る。

「グズグズしてるとホントに私のモノにするぞ。」

「ぎゃーっ離れろっ。」

「アンタ魔女じゃなくてただの痴女だろ。」

散々喚き散らして

「もういいわ。帰りましょうバカバカしい。」

「ホント何だったんだ。」

「帰るぞキズナ。」

「じゃあね紹実ちゃん。」

「また明日な。」

「お前ら今日中に渡せよ。」

「判ってるわよっ。」

やれやれと保健室から出る。

僕はすぐに追いつくから先に行っててと保健室に戻った。

「どうした?忘れ物か?」

はい。

ちゃんとお礼を言いたくて。その、ありがとうございました。

「え?何だよもう態々いいのにー。」

「あとお礼の言い方がちょっと違うぞ。」

うえっ。あ、はい。えーっと

ありがとうお姉ちゃん。

「んーっ。」

三原先生は僕を抱き寄せて

「この後たくさん貰えるよ。」

「まあもし貰えなかったら私のとこに来い。そしたら」

じっと僕を見つめながら顔を近づける。

ガラッと勢いよくドアが開く

「何やってんのよこのエロ教師っ。」

「離れろキズナっっその悪魔から離れろーっ。」

無理やり手を引かれ保健室から引きずり出される。

保健室では三原先生が手を振ってくれていた。


小室家の客間に皆でお邪魔して何とも不思議な作業が始まった。

テーブルの上に全ての贈り物が巻かれる。

「仕分けしたいから手伝ってよ。」

紙とペン?何するの?

「クラスと名前と中身書いてくれ。」

え?開けていいって事?

全部で30個くらいある。1人では無理だと。

「今年は少ない方ね。」

少ない?少ないのこれ?

「1年生だからね。中3の時はこの倍じゃ済まなかったわね。」

全部がチョコレートなら紙袋を5つも6つも必要ない。

サイズ的に明らかにチョコ以外の何かが入っている包が3つ。

チョコにしては大きいな。的なサイズが5つ

それ以外が恐らくチョコだろう的なサイズ。

興味はあったが怖かったので普通のチョコらしいサイズの包を手にした。

丁寧に包み紙を開くと、何だこれ。SDカード?

あのこれ

「うっ。とにかく書いて分けてくれ。」

またか的なのは何でだ?

「あとで確認するよ。」

ヤバイやつだったりしないの?ウィルスチェックとかしてくださいよ。

「判ってる。判ってるから続けてくれ。」

小室絢は避けているようだ。中身を知っているのか?

「メッセージとか自作の歌とか動画よ。多分ね。」

南室綴がその中身を推測してくれた。

想いが重い。


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