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プロローグ
欲にまみれたうめき声が響き渡る、金属が交わる音、肉切れる音、人の形を為さぬものたちが自分たちの力を確かめるよう争っている。
『この城の魔物たちの力は100年前とは比べ物にならないほど上がっているわね、これならもう人間どもに負けることはなさそうね』
興奮に顔を歪めた女がクスクスと笑う。
『デライト〜!魔王様から復活の兆しが見えたって!いよいよだね!』
いつのまにか後ろに現れた獣人の少女が声を弾ませていた。
『そう、報告ありがとフリーダ、世界は魔王様の手に。魔王様の世界に人間はいらない!!』