波乱の気配
すいません、今回も短めです。
宿についてから一人部屋を追加して俺と二人に別れる。
サリアも俺と一緒の部屋がいいといったが、レイアも譲らなかったので間を取ったのだ。
そして二人の部屋に移動して、まずはサリアに俺のことを話すことにした。
サリアもレイアと同じように俺が魔王であることに驚いていた、そして復讐のことや眷属化について話すと、ためらうことなく眷属になることも了承してくれた。
「そんなに簡単に決めていいのか?」
「はい、私が元傭兵だといいましたよね、そしてクランが解散した理由は私以外みんな死んでしまったからなんです。ヤコウさんの眷属になれば、強くなれるんですよね?力が足りずに後悔するのは二度とごめんなんです」
それに死ななければずっと一緒にいられるんですよね、そう付け加えてサリアはいつもより少し悲しそうな笑顔を浮かべる。
俺はサリアの笑顔を見て、こんな顔をさせないようにしようと心に決める。
レイアも一人になる恐怖を知っているためか、サリアに向ける顔には優しさがうかがえる。
そして俺はサリアに手を伸ばしスキルを使う。
「眷属化」
レイアの時と同じように、俺からサリアに魔力が流れていく。
そしてサリアを一瞬白い光が包み込み、消えると変わらずにサリアがいる。
「これで終わったんですか?」
「ああ、サリアも俺の眷属になった、ステータスを見てみるといい」
サリアがステータスを開き、俺も鑑定を使う。
ステータス
名前:サリア
種族:上位悪魔
称号:『特殊個体』『魔の才』『魔王の眷属』
スキル:【賢王】(【並列思考】+【思考加速】+【火魔導】+【水魔導】+【風魔導】+【土魔導】+【闇魔導】+【光魔導】+【無魔導】+【魔力強化】+【魔力回復】+【無詠唱】)New【杖】【不老】New【状態異常耐性】New
スキルが統合されて新しくなっていたり、新たに加わっている。
数としては減っているが確実に強くなっている。
【賢王】は属性が増えただけでなく、すべてが魔導で魔法に補正もかかるようだ。
「これが新しい私・・・ありがとうございます、ヤコウさん」
サリアも自分の力を確認できたようなので、俺は決めていたように全てを話すことにした。
「二人にまだ話したいことがあるんだが聞いてくれるか」
「何でしょうか、ご主人様?」
「何ですかヤコウさん?」
二人に話していなかったことを話していく、違う世界から来たこと、復讐の理由、魔神に連れられてきたこと、すべてを伝えた後に一番大切なことを告げる。
「いろいろ話したが、まだ二人に一番言わなければいけないことが残っている」
二人とも何も言わずに俺の言葉を待っているので、そのまま続ける。
「ギルドで二人の気持ちは聞いた、今まではわざと気にしないようにしていたが俺の気持ちを言おう。レイア、サリア、俺は二人のことを愛している。話していないこともあったが、俺は二人と生きていきたい」
そう伝えて二人の返事を聞こうとすると、二人とも俺に抱き付いてきた。
「私はもともと命尽きるまでご主人様と共にいるつもりです」
「私もずっと一緒に生きていきますヤコウさん」
二人はそう言うと目をつぶりこちらを見上げてきたので、期待に応えるように唇を重ねる。
二人と気持ちを確認しあい、その日は夕食を食べてから二人の部屋へいく。
三人部屋はなかったがツインの部屋をダブルに変えていた。
そしてその夜、俺は二人と結ばれた。
夜が明けて目を覚ますと、俺の左右には愛すべき二人の女性がいる。
昨夜は二人と結ばれたが、俺にはスキルに【絶倫】があり二人が望むだけ相手をした。
二人とも初めてであったが上位種族になっているので肉体が強く、貪欲に求めてきた。
二人の寝顔を見ていると、レイアが目を覚ました。
「おはようござます、ご主人様」
「おはよう、レイア」
幸せそうに言うレイアに言葉を返す、すると次いでサリアも目を覚ました。
「おはようございます、ヤコウさん」
「おはよう、サリア」
サリアは若干顔を赤くしているが、こちらも幸せそうな笑みを浮かべている。
それからは朝食を食べてギルドに向かった。
朝食を食べているときにマーサさんに、昨夜はお楽しみでしたねと言ってからかわれた。
これからは風魔導で防音するようにしようと心に決めた。
ギルドに着くと普段は傭兵たちが少ない時間なのに多くの傭兵がいる。
皆、俺たちが入ってきたことにも気づかずにそれぞれのクランで集まり話し合っている。
何事かと思って周囲の話に耳を澄ませてみると、どうやら魔物の群れが現れていくつかの街が襲われたようだ。
そして魔物の群れを討伐するために傭兵を集める依頼が出ているようだ。
掲示板をみて、依頼を確認しているとレイアの顔が蒼くなっていくので話を聞く。
するとすぐに理由が分かった。
襲われたのはレイアの一族が治める領地であり
魔物の群れの中に死霊の存在が多数確認されていたからだ
波乱に対して夜行の動きは
何処まで書いていいのかの判断がつきません。
しばらく戦闘がありませんでしたが、もうすぐ夜行達が暴れまわります。
そこまで、まだ数話あると思いますが見捨てずに頂けるとありがたいです。
読者の皆様に感謝を。
もしかしたらという話
おまけ(夜行を観察していたリアリス)
「夜行くん、二人も侍らせて何だか嫉妬しちゃうな♪」
顔は笑顔でも、目は笑っていない。
「でも最後に私のもとに帰ってきてくれるなら、多少の浮気も許してあげるよ♪」
そういって魔神は笑顔を浮かべ続ける。
急に夜行は寒気を感じて辺りを見回す。
「どうかしましたか、ご主人様?」
レイアとサリアが心配して声をかける。
「いや、何でもない少し寒気がしただけだ」
そう聞くと二人は少しだけ安心する。
(こんな寒気は祖父が怒って、真剣で斬りかかってきた時以来だな)
何か悪いことが起こるのではないか。
夜行はそう思ったが寒気がしたのは一瞬だったので忘れることにした。
夜行が寒気の理由を知るのはまだずっと先のお話。
おわり